ラビンドラナート・タゴール
2
「人びと」は残酷だが、「ひと」は優しい。
愛の中では、人生の矛盾はすべて沈んで消えうせる。ただ愛の中でのみ、単一と二元とが衝突することなく存在するのだ。
0
人間は、空間と時間との領域の中に住むほかに、もう1つ別の住居を持つ。自分の内面の王国の中に。
1
花はその花弁のすべてを失って果実を見いだす。
可能は不可能に尋ねた、「君の住所はどこ?」「無気力者の夢の中です」と不可能は答えた。
物を与えることだけを慈善と心得ているのは、手に汗することを知らない人々だけである。
上辺のみの自由の名によって、自由を粉砕することはまったく容易である。
立って水面を見つめるだけでは、海を渡ることはできない。
哲学なき政治、感性なき知性、労働なき富、この三つが国家崩壊の要因なり。
4
古い種子は生命の芽を内部に持っている。それはただ、新しい時代の土壌に蒔かれる必要があるのだ。
成功者が、神の特別な加護があったと自慢するとき、神は恥ずかしく思う。
称讃されると恥ずかしくなる、私が内心では、それを期待しているから。
人類の歴史は、虐げられた者の勝利を忍耐強く待っている。
3
悪は河における岸のごときものである。岸は流れを堰くが、それは流れを推し進めるよすがとなる。この世の悪は、人間が水の流れるごく善にむかわしめるために存在する。
人生航路は大きな川の流れによく似ている。その急激な流れの力によって、今まで流れたことのない、新しく、予想もしなかった水路が開かれてゆく。
耕す人が固い地面を耕している所、道を作る人が石を碑にしている所、そこに神はまします。
人生は、人間が作った運河のように決まりきった水路だけを流れるものではない。
「われ存す」ということが不断の驚きであるが、つまり、それが人生である。
魂の永遠の自由は愛の中に、偉大なものは小さなものの中に、無限は形態の絆の中に見出される。
善をなさんとするものは門を叩き、愛する者は門が開放されているのを見出す。
ラビンドラナート・タゴールのすべての名言