スポーツは明確な目標やモチベーションがある世界です。僕にはハードル競技で世界で1番になるという強烈な目標がありました。引退してそれがなくなったら自分はどうすればいいのか。それが悩みであり不安でした。選手生活を振り返って考え抜いたところ、ハードルを跳び続けてきたことは、こんなふうに言えるのではないかと思い始めました。「目標を設定して、そこに至る課題を解決することを継続的にやってきた20年間だった」。少し強引かもしれませんが、「これはいろんなところに使える能力だ」と思った瞬間、ちょっと楽になったのです。
為末大
為末大のその他の名言
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結果に依存しすぎると、人生なんてほとんど意味がなくなってしまう。敗北感を感じないようにするのは無理かもしれないけど、結果とは関係なくプロセスの中にいかに喜びを見いだすかは、大きな知恵だと思う。
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人は何か自信を持って誇れるものを持っているはず。それは全く別の人生に踏み出しても通用する普遍性があると思う。不安を感じたら、自分の来し方を棚卸ししてみてください。
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子どもの頃から「絶対に負けられない戦い」を覚えてしまうと、勝てる試合しかしなくなり、結果、勝負弱い人間ができあがってしまう。
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人生には区切りというものがあります。自分がそれまでやってきたことが何だったのか、結果だけではなく、その過程も振り返って整理しておくことは、先に進むために大切なのではないでしょうか。
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あまりにも執拗に正論を言う時、人は裏側に嫉妬とコンプレックスが潜んでいます。大人になると面と向かって嫉妬心は出てきません。もう少しいびつな形で噴出します。
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自分を隠さない。気が弱いんだったら弱いまま。興奮しすぎるんだったらしすぎるまま。短所はない特徴だけがある。特徴をすんなりと生かした選手がグラウンドで輝く。