古森重隆
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部下を良いスパイラルへと巻き込むには、上司も口先だけでなく、現場で一緒に戦わなければならない。私も部課長時代、毎月のように部下たちと合宿を行った。金曜午後、ホテルに移り、直面する問題をどう解決するか、徹底的に議論するのです。夜10時ごろからは酒を飲み、胸襟を開いて語り合う。翌日はまたディスカッション。この合宿の成果を翌週から現場で一緒に実践していくのです。
拮抗した状況の下にあって全力で成功させる。それこそが努力の真の意味だ。
経営判断を下す前に、自社に何が起きているのか現状をよく見て考えなければならない。我々の場合でいえば、悔しいことだが、写真フィルムの市場はほとんどなくなってしまった。そういう現状を認識するのは、非常に勇気の要ることでもある。
かつての写真フィルムのように、絶対的な大鉱脈があれば別ですが、1つか2つのコアだけでは不十分。
経営は「いま何が起きているのか」「何が起きつつあるのか」を数字に落とし込む必要がある。衰退する事業の売り上げはどれくらい減るのか、増えると見込まれる事業や新事業はどれほどの売り上げ、利益になるのかを数字で示す。
変化を起こし、新しいものを創造していくために必要なのは、チャレンジする心。
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戦略や戦術が正しかったか、実行力があったかはすべて数字で見ることができる。
経営者にとって、若さは必ずしもプラスには働かない。
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経営は必ず数字で結果が表れる。現状がしっかり把握されていて、戦略が明確かつ戦術が実践的であって、あとは遂行力が発揮できれば、最終的に計画したその数字が達成できる。
鮮やかな戦略勝ちは滅多にない。知識や知恵だけでなく、汗の価値を重視する。それが大切なポイントだ。
ともに戦う体験を通して、私が部下に教え込もうとしていたのは、仕事の成果はその人の持つ人間力の総和であるということです。
注意深く見ると、一見無関係に見え、雑多にも見えた情報同士を結ぶ因果律が浮かび上がってくる。いくつかの事実の背後に横たわる流れが見えてくる。「1週間前のあの出来事があったから、いまこれが起こっているんだな」というように、事実を位置づけられるようになってくる。そして今度はその延長上にある「先」を見通すことができるようになる。
私は使命感こそ、セルフ・モチベーション、すなわち自分自身の動機づけを高める最大のトリガーだと思う。
多角化と言うと、M&Aなどで全くの異分野に進出するというイメージを持つかもしれません。ただ、当社のケースを見ても分かるように、多角化とは本業に関わる技術を軸に進めていくべきものと私は考えます。会社自身がその分野でやっていけるポテンシャルを持たないと成功しないでしょう。
成長分野の選定の基準は、市場に成長性があるか、当社の技術を活かせるか、継続的に競争力を持ち続けられるかという点。
よほどの天才でない限り、人間の持つ力はさほど変わらない。
「一番大事なこと」が分かったら、あとは何が何でもそれをやり抜くしかないのである。
情報の収集には目や耳はもちろん、鼻や皮膚の感覚も大切です。情報の背後にある本質をつかむには、現場での行動を通じた現実認識が重要で、足腰の強さが求められます。次に情報を頭で分析し、戦略戦術を立てる。困難が予想されれば、腹を据え、度胸や勇気を持って決断する。まわりに自分の考え方を口でしっかり伝え、ときには腕力も行使する。そしてハート、思いやりがなければ誰もついてきません。
リーダーに必要なのは読む力と決断する勇気だろうね。それから、リーダーシップ。これは威圧感と言ってもいい。
我々は今日、怒涛のように流れ込む情報の渦の中に生きている。押し寄せる情報をまともに取り込もうとしていたら、意思決定など創造的な仕事をする時間を失ってしまう。大切なのは、膨大な情報の海からキラリと輝くものをいかに見いだすか。
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