22歳のとき、一人で日本中の建築を見て回る建築行脚を行ないました。大阪から四国、九州、中国、そして中部から東北へと回ったのですが、とくに広島にある、丹下健三氏の平和記念資料館には衝撃を受けました。建築雑誌で見たときはモダンで端正なイメージだったのが、夜に見るその建造物は、圧倒的な迫力で戦争の無残さを感じさせてくれました。やはり知識だけでなく、自ら体験することの重要性を痛感したのです。
安藤忠雄
安藤忠雄のその他の名言
-
豊かさというのは、直感力を奪うんですね。豊かになるのはいいことですが、これまでの歴史を見ても、豊かさを極めた国は滅びています。
-
いまは常識というものが次々と崩れています。常識を疑い、自ら新たなルールをつくる。現代を生き抜くには、そんな気構えが必要でしょう。
-
ギリギリの状態に何度も追い込まれた人でないと、直感力は働かない。最近の若い人には優秀な人材がたくさんいますが、ギリギリまで追い詰められたという経験がないから、直感力がないんじゃないかと思います。
-
私もこれまで、数々の教養人と出会ってきましたが、やはり本当に教養がある人は、「現場に足を運ぶ」ことの重要性を知っているように思います。
-
本気で取り組めば、面白いことや感動することが必ず出てくる。大切なのは、進路や自分の将来で迷っても、人に判断を頼らないで、苦しくても自分で考えぬくこと。
-
中途半端にやってもダメですね。必死に全力疾走で勉強する。吸収できる年齢は35歳くらいまでと考えて、自分を追い込んでいかないと本物の力にはならないと思う。
-
日本にいると危ない。ある一定レベルを超えると、急に結果責任が甘くなりますからこの国は。だから私は、常に現状に満足せず、新しい情報を吸収するように心がけています。
-
とにかく、仕事で得た金はほとんど全部、旅の中で使い果たしていた。たとえ預金通帳に一銭も残らなくとも、自分のなかに何かが残ればいいと思っていた。