やなせたかし
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自分を犠牲にしても人を助けなきゃいけないという時があるんですよ。
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今自分がやっている仕事だって、それで誰かが助かり、誰かがよろこんでいるはずだ。「この仕事は向かない」「この仕事は不満だ」と言って、熱を入れずにただウロウロしているだけなら、一生、そのままで終わってしまう。つまらないなら、どうすればおもしろくなるかを考え、自分で工夫してみるといい。そうすると、どんどんおもしろくなっていく。満足感も高まって、しだいにそれが天職だと思えるようになっていくのだ。
今日いちにち生きられたから、明日もなんとか生きてみよう。
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運にめぐりあいたいならなんでも引き受けてみるといい。自分の専門分野以外のことに広く眼を開き、経験したほうがいいのです。
一寸先は光。
難しい仕事や未知の仕事には、好奇心と冒険心をそそられる。新しいことに挑戦するのはすごいチャンスだと思う。声をかけられたら、「できない」と断らずに、無理やりでもやってしまえばいいんだ。専門分野以外の仕事をしているうちに、それが化学変化を起こしていくこともある。新しい人間関係が広がることもある。仕事は、人と人のつながりで来るものだ。いろんなことをやっていく中でめぐり会う人が、新しいチャンスや可能性を連れて来てくれる。
自分はまったく傷つかないままで、正義を行うことは非常に難しい。
正義って、普通の人が行うものなんです。政治家みたいな偉い人や強い人だけが行うものではない。普通の人が目の前で溺れる子どもを見て思わず助けるために河に飛び込んでしまうような行為をいうのです。
戦争に行ったら軟弱もくそもなくて、朝から晩まで殴られているうちに、だんだんたくましくなってきちゃって、根性を完全に叩き直されました。でもその時知ったことは、やはり命の問題のこと、そして一番何が辛かったかというと、お腹が空く、ひもじいということ。
チャンスは誰にでも平等にある。「どうせ、オレなんてダメだ」と言っている人は、チャンスをつかもうとしていないのではありませんか。
ひもじい人を助けるのが正義の味方。
いまの仕事に不満を持っていたら、天職には出会えない。
生きる、生きている、生かされているということは本当にありがたい。
心と心がふれあって、なんにもいわずにわかること、ただそれだけのよろこびが、人生至上の幸福さ。
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お金持ちになれる正しい原則は、良心的なおもしろい仕事をすることです。
「人が喜ぶかどうか」が何よりも大事だと思うんです。
メッセージが必要なんです。おもしろくすることばかり考えていると、肝心なものが抜けてしまいます。ただおもしろいというだけではいい作品とはいえません。芸術映画でなくても、見る人の心に残るメッセージは必要不可欠、それが僕の作品を作る上での信念なんです。
自分にうそをつかない仕事を続けてきたら、少しずつ収入も増えてきたのだから、世の中は意外に公平にできている。
正義とは実は簡単なことなのです。困っている人を助けること。ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を「正義」と呼ぶのです。
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幸福とは何か?この命題に対してはいくつかの答えがあります。たとえばそれは健康であり、たとえばそれは成功であり、あるいは草むらの上をはだしで歩くことといったふつうなごく素朴なよろこびもまた幸福です。でも、その最大のものは、やはり「めぐりあい」、人と人との出会いです。
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