坂本龍馬
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生きるも死ぬも物の一表現に過ぎぬ。いちいちかかずらわっておれるものか。人間、事を成すか成さぬかだけを考えておればよい。
慎重もええが思いきったところがなきゃいかん。慎重は下僚の美徳じゃ。大胆は大将の美徳じゃ。将か士かは人のうまれつきで決まるものだがお前は大将修行をやれ。
金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然と集まってくるさ。
この数年は東奔西走の日々を過ごし、たまたま知人と出会っても、相手に迷惑がかかるので他人のふりをした。父母の国を思わない者はいない。だが、望郷の思いを消し去ろうとしているのは、情に流されることにより長年秘めていた志が無になることを恐れたからだ。
先人の真似ごとはくだらぬ。
ご相談被遣時は、海援隊一手を以て大樹参内の道路ニ待受。
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私が長生きすると思われても無駄なことだと思います。とはいえ、普通の人のように簡単には死にません。私が死ぬような日には、天下が大混乱となり、たとえ生きていても役には立たず、存在したとしても用がないような状態にでもならない限り、なかなかこすい嫌な奴で死にはしません。
人生は一場の芝居だというが、芝居と違う点が大きくある。芝居の役者の場合は、舞台は他人が作ってくれる。なまの人生は、自分で自分のがらに適う舞台をこつこつ作って、そのうえで芝居をするのだ。他人が舞台を作ってくれやせぬ。
私ももしも死ななんだりや、四五年のうちにハかへるかも、梅雨の命ハはかられず。
男の不幸は、馬を得るか得ぬかにある。
四、五十人も人数が集まれば一人ぐらいは異論家はいる。いるのが当然でもある。その一人ぐらいの異論を同化できぬ己を恥じろ。
以上八策は、方今天下の形勢を察し、之を宇内き、一大英断を以て天下と更始一新せん。
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夢中で日を過ごしておれば、いつかはわかる時が来る。
養子となる者へも伝えてほしいのですが、土佐で流行している長い剣は、すでに伝えているように一対一の喧嘩や、昔話の宮本武蔵の試合などには非常に向いているのですが、現代の戦場では無用です。銃を主要兵器とする場合、刀がなくともよいと考えるべきです。
男子は生あるかぎり、理想をもち、理想に一歩でも近づくべく坂をのぼるべきである。
天下のために働こうとして、土佐藩から一銭一文の資金も援助されることなく、志のある若者たちを50人も養おうとすれば、一人につきどうしても60両は必要となることから、利潤を求めなければなりません。
男子の志は、簡明直裁であるべきだ。
とんとんと登る梯子の真中程で国を去って薩摩同志楼に上がる貧乏の春辛抱しゃんせと目に涙。
人間はなんのために生きちょるか知っちょるか?事をなすためじゃ。ただし、事をなすにあたっては人の真似をしちゃいかん。
人間というものは、いかなる場合でも、好きな道、得手の道を捨ててはならんものじゃ。
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