福沢諭吉
0
心事高大にして働きに乏しき者は、常に不平をいだかざるを得ず。
3
妊娠中に母を苦しめ、生れて後は三年父母の懐を免れず、その洪恩は如何と言えり。
2
世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事をもつことである。
世間の人たちと交際するに当たって、特に被害を受けることもなく自身の独立を妨げることもない限りは、言行の鋭い矛先を包み込んで外見を優しくし、知らない事は知らないとして、人に質問するのはもちろんのこと、その質問に対する答えに愚説があっても、すぐにそれを退けてしまわずに丁寧に耳を傾けるべきである。
1
学問の道に入ったならば大いに学問すべきです。農業を志したなら豪農になりなさい。商人になるならば大商人になりなさい。学問をする者は、小さな安楽に満足してはなりません。
進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。
結婚は人生の重大事なれば、配偶の選択は最も慎重ならざるべからず。
今日も、生涯の一日なり。
「足ることを知る」という教えは、一個人の私に適している場合はあるかもしれないが、国としては、千万年の間に一日たりとも満足の日があってはならない。多欲多情ますます足らないことに不満を持って、一心不乱に前進することこそ国の栄える基である。
理想が高尚でなければ活動もまた高尚にはならない。
楽の一方にだけ心を奪われ、俗に言う丸儲けしようとしては、丸損してしまうことを忘れてはならない。
人間の暮らしにかかわるすべてのことを、得か損かのソロバン勘定で決定してはなりません。大切なことは、経済の法則を用いるべき場所と、用いるべきでない場所とを、区別することです。
一身独立して一国独立す。
学生の中には、日本語は不便で、文章でも演説でも表現しにくいので、英語で書いたり話したりするなどと、取るに足りない馬鹿なことを言う者があります。この学生は、日本に生まれてまだ十分に日本語を使ったことのない男なのでしょう。母国語というのは、その国の物事が次第に複雑になるのに従って増加していくもので、少しも不自由を感じるはずのないものです。何はさておき、現代の日本人は、現代の日本語に習熟して話すことに上達するよう努力すべきです。
理論と実行とは寸分の食い違うことなく一致させねばならない。
4
男子たるものには、物をむさぼることよりずっと大切なものがあるはずだ。それは、大志を持ち、それに向かって突き進むことでである。猿が読むのだと思って書け。一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。
学問は米をつきながらも出来るものなり。
もしチャンスがあって、殺す側と殺される側とが数日間同じ場所で過ごし、お互いに隠すところなく本当の心のうちを吐露し合ったならば、どんな敵同士でも必ず和解し、そればかりでなく、無二の親友となることもあるでしょう。
表情と容貌を快適にして、第一印象で人に嫌われないようにすることが大切です。肩をそびやかしながら愛想笑いをしたり、相手の気に入られようとひたすら媚を売ったりといった態度は、もちろんやめるべきですが、苦虫を噛みつぶして熊の胆を飲んだような、黙っていると褒められて笑うと損をすると思っているような、年中胸の痛みを患っているような、生涯父母の喪に服しているような表情も避けるべきでしょう。
人生活発の気力は物に接せざれば生じ難し。
福沢諭吉のすべての名言