岡本太郎
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生涯を通じて、瞬間瞬間の危険に賭けるのが真の人間の在り方だと思う。
自信に満ちて見えるといわれるけど、僕自身は自分を終始、落ち込ませているんだ。徹底的に自分を追い詰め、自信を持ちたいなどという卑しい考えを持たないように、突き放す。僕がわざと自分を落ち込ませている姿が、他人に自信に満ちているように見えるのかもしれない。
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本当の人間は、みんな透明な目をもった猛烈なシロウトなのである。自分の専門に対しても。
面白いねぇ、実に。オレの人生は。だって道がないんだ。眼の前にはいつも、なんにもない。ただ前に向かって身心をぶつけて挑む瞬間、瞬間があるだけ。
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でたらめをやってごらん。口先では簡単にでたらめなら、と言うけれども、いざでたらめをやろうとすると、それができない。
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画家にしても、才能があるから絵を描いているんだとか、情熱があるから行動できるんだとか人はいうが、そうじゃない。逆だ。何かをやろうと決意するから意志もエネルギーも噴き出してくる。何も行動しないでいては意志なんてものありゃしない。
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ぼくはいつも自分が純粋に感じたこと、考えたことを、理解されようがされまいがダイレクトにぶつける。
親の顔色をうかがっていいなりになるとしようか。が、それが君自身の人生なんだろうか?そうじゃないだろう。
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評価されるなんていっさい必要なし!音が好きならば、音になっていないといわれようと「音」を出す。これが前提だな。
人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。僕は逆に、積み減らすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
俗に「失敗は成功のもと」という。そんな功利的な計算ではなく、イバラの道に傷つくことが、また生きる喜びなのだ。通俗的な成功にいい気になってはならない。むしろ「成功は失敗のもと」と言いたい。その方が、この人生の面白さを正確に言い当てている。
自分の好きな音を勝手に出す、出したい音を出したらいい。
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僕はいつでも最低の悪条件に自分を突き落とす。そうすると逆にモリモリッと奮い立つ。自分が精神的にマイナスの面をしょい込むときこそ、自他に挑むんだ。駄目だ、と思ったら、じゃあやってやろう、というのが僕の主義。最大の敵は自分なんだ。
いいかい、怖かったら怖いほど、逆にそこに飛び込むんだ。
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若い人たちに言いたい。ただの生ぬるいサラリーマンになることは容易だ。しかし、そこでは本当の自分を誤魔化して、画一化するよりほかはないのだ。それよりも、自分の目、手で触れる、だからこそ危険な道を切り拓いていくべきだ。決して遅くはない。諦めて、投げてしまってはならない。あえて敗れることを決意して、社会にぶつかるのだ。それによって、さらに大きな、輝かしい人間像を形成していくのである。
まっさらな目をもて!そして目的を捨てろ!
意志を強くする方法なんてありはしない。そんな余計なことを考えるより、本当にいまやりたいことに、全身全霊をぶつけて集中することだ。ひたすらそれを貫いてみる。はたから見れば、あの人はなんという意志の強い人なんだろうということになるんだ。
きみはあなた自身を創造していると思いなさい。
自分自身にとって一番の障害であり敵なのは、自分自身なんだ。その敵であり、障害の自分をよく見つめ、つかんだら、それと闘わなければいけない。戦闘開始だ。
生きる日のよろこび、悲しみ。一日一日が新しい彩りをもって息づいている。
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