米長邦雄
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消化試合にも、全力を尽くす。
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詰将棋は、手数に応じて深く読んで、しかもそれが全部最善手だと、一人で確認できるということが大きい。「読み」の練習に最も役立つと私が勧めるゆえんである。
常に「色即是空」の心境です。
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100のうち、99わかっていても、一つわからないことがあってはダメなんだ。
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私が50歳を間近にして、名人位を獲得できたのは、40歳というすでに若くない段階から変化を試みたことへの神様からのご褒美だったと思っています。人間は変化できなくなったらもう終わりです。私自身、変化できなくなったら引退しようと心に決めており、また実際にそうしてきました。
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家庭の中が平和になっていないと、将棋は勝てませんね。
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詰将棋を見て、一番大事なことは、詰んだとか詰まないとかということではなく、「解いてみようかな」という気持ちになることだ。
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新築の家を建てたとしても、ピカピカの家に住む喜びに浸れる期間には限りがあります。30年も経てばもうあちこちガタがきているし水漏れもします。知識や経験とはこのようなもので、身につけたときは得意に思っても、いつかはカビが生えて使い物にならなくなります。古くなった家屋を目の前にして、すべきことはたったひとつ、改築するしかありません。必要なのは、新たな改築プラン。つまり若さなのです。
身体は使うほど衰えるが脳味噌は逆、脳味噌から汗がでるほど使え。
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勝利の女神は、正しいか否かよりも、笑いがあるか、謙虚であるかどうかを重視している。
これまで勝利してきた得意な手が、どうにも通用しなくなる。要するに時代遅れになっているわけです。どんどん出てくる若手の棋士はピストルの弾丸のようなものです。そこで自分のやり方に固執する、かつての勝者の末路は哀れです。頭でわかっていても行動できない。自分の思い込みや心理状況を冷静に分析することが必要です。
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時代は移り変わります。PCを駆使する新人と、鉛筆なめなめ原稿書いてきた古参の記者ではスピード感がまるで違います。そこは新しいことを取り入れて変化しなくてはなりません。
「いい女とはどんな女か」という問いを受けた時、私は、「寝たふりのできる女」と答えます。
させてくれと女にお願いしているうちは半人前である。
男の約束は法律に優先する。
人間だから一度の過ちは仕方がないことです。一回の悪手に動揺しても、そこで辛抱して冷静さを取り戻せるかどうかがその人の運命を左右します。
過程でまったく笑いがない場合には、どこかで破綻が生じる。
人は日々成長します。10歳のときよりは20歳のときの方が、知識も経験もはるかに増えています。ところが、人生も40年、50年生きていると、あるときふっとその知識や経験にカビが生えていることに気づくわけです。老化とともに体力や思考力が衰えてくるのは致し方ないとしても、本来衰えないはずの経験や知識までもが腐っていることに気づく。それが40歳ごろの私でした。それも悔しいことに、一番腐っているのは自分の十八番の戦法だったりするわけです。
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いちばんいい薬というのは、「お前は天才だ、才能がある」という、この一言なんです。
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いかなる局面においても、「自分が絶対に正しい」と思ってはならない。
米長邦雄のすべての名言