老子
0
水は丸い器に入れれば丸くなり、四角い器に入れれば四角になる。万物に恩恵をあたえながら、少しも自慢することなく、つねに低い所へ位置する。そのあり方はきわめて柔軟で謙虚だ。それでいて硬い岩でも打ち砕く力を秘めている。一見、主体性がないように見えるが、その実つねに低いところへ流れようと強固な主体性を秘め、何も為してないように見えながら、万物に恩恵を与えている。時には水蒸気となり氷となって、その姿は臨機応変、自由自在。人間もかくありたいものだ。
4
河や海が数知れぬ渓流のそそぐところとなるのは、身を低きに置くからである。同様に賢者は、人の上に立たんと欲すれば、人の下に身を置き、人の前に立たんと欲すれば、人の後ろに身を置く。かくして、賢者は人の上に立てども、人はその重みを感じることなく、人の前に立てども、人の心は傷つくことがない。
2
その光を和らげ、その塵に同じうす。
1
今持っているものに満足し、ありのままの姿を喜びなさい。何も欠けていないと悟れば、全世界が自分のものとなる。
自ら自慢する者は業績を認められない。自ら才能を誇る者は、人の長になれない。このような行いはみんなが嫌う。よくわきまえた者は決してそういった行動はしない。
すべてのものの中でもっとも柔らかいものは、もっとも堅いものを打ち負かすことができる。なぜなら、形の無いものは隙間の無い所にも自由に入り込むことができるからだ。
6
禍福は糾える縄の如し。
軽諾は必ず信をすくなくす。
ただ自分自身であることに満足し、比較したり競争することがないのであれば、すべての人が君を尊敬するだろう。
善く戦う者は怒らず。
他者を知ることは知恵。自分を知ることは悟り。
天の道は利して害せず、聖人の道は、為して争わず。
大道廃れて仁義あり。
不幸は幸福のうえに立ち、幸福は不幸のうえに横たわる。
誰かを深く愛せば、強さが生まれる。誰かに深く愛されれば、勇気が生まれる。
3
それは悲しみを招くだけです。
吾が言は甚だ知り易く、甚だ行い難し。
粘土をこねて作った器が役に立つのは、その器の中が空虚になっているからである。戸や窓の部分が開くように作った部屋が役に立つのは、戸や窓の空虚の所から出入りができるからである。
正しい言葉は聞こえがよくなく、聞こえがよい言葉は正しくない。
変化に抵抗してはなりません。
老子のすべての名言