司馬遼太郎
1
人間は孤立しては棲めない生物でもある。‥‥‥孤立に堪えられなくなったとき、たとえ短時間でも激しく群れたがる。‥‥‥政治的正義という煌々ある電灯が頭にともると、激烈に群れる。‥‥‥ときに殺人という反社会的行為をおこなうことによって小集団は激烈に群れを回復する。
2
一つの概念をしゃべるとき、その内容か表現に独創性がなければ、男子は沈黙しているべきだ。
世に生きものというのは、人間も犬も虫もみな同じ衆生で、上下などはない。
9
皆が持つ微弱なる電流を強くせよ。
日本は不思議な国です。一度賞を取れば、何にでもコメントを求められるし、またその気になれば何にでも発言できるんです。
3
業なかばで倒れてもよい。そのときは、目標の方角にむかい、その姿勢で倒れよ。
小説というものは、迷っている人間が書いて、迷っている人間に読んでもらうものなのです。
4
人として生まれたからには、太平洋のように、でっかい夢を持つべきだ。
英雄とは、自分だけの道を歩く奴のことだ。
動きの中で美人を見いだしているんでね。身動きなんだろうな。
人よりも一尺高くから物事を見れば、道はつねに幾通りもある。
5
名将の条件は、ひたすらに運である。
0
私はどうも、日常人としては権力がきらいです。本当にきらいです。
6
欲は才を走らせる火のようなものだ。
金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然と集まってくるさ。
食欲と性欲と睡眠欲が三大本能として、四番目は教育する本能、そして教育を受けたくなる本能かもしれません。
ほとんどの人は、永く生きたようなつもりでいながら、じつは語るに足るほどの体験は数件ほどもない。短編小説として搾りとれば三遍もできあがらない。
おれは、かつて、おれ自身に惚れこんだことがなかった。自分に惚れこみ、自分の才を信じて事を行えば、人の世に不運などはあるまい。
財政の独立なくては、思想の独立もなく、行動の自由もない。
世の既成概念を破るというのが、真の仕事である。
司馬遼太郎のすべての名言