司馬遼太郎
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英雄とは、自分だけの道を歩く奴のことだ。
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日本的に理解された儒教とくに朱子学が江戸期の武士をつくった。朱子学によって江戸期の武士は志というものを知った。
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心を変えろ、心を。日本を背負う気になってみろ。その気になって背負えば、日本などは軽いものだ。いやそれがむしろ悲しい。病み呆けた老婆よりも軽い。
僕はそういう作られた物を見るのは嫌いなんです。自分のなかにできている老子さんがこわれるのがいやなんです。
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意味さえわかれば、よいではないか。
宗教は人間を飼い慣らす装置である。
欲は才を走らせる火のようなものだ。
朱子学が江戸期の武士に教えたことは端的にいえば人生の大事は志であるということ以外になかったかもしれない。
小説というものは、迷っている人間が書いて、迷っている人間に読んでもらうものなのです。
4
おれは、かつて、おれ自身に惚れこんだことがなかった。自分に惚れこみ、自分の才を信じて事を行えば、人の世に不運などはあるまい。
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一ヶ月に十三、十四回は死を考えています。
人間は孤立しては棲めない生物でもある。‥‥‥孤立に堪えられなくなったとき、たとえ短時間でも激しく群れたがる。‥‥‥政治的正義という煌々ある電灯が頭にともると、激烈に群れる。‥‥‥ときに殺人という反社会的行為をおこなうことによって小集団は激烈に群れを回復する。
一つの概念をしゃべるとき、その内容か表現に独創性がなければ、男子は沈黙しているべきだ。
何でも思い切ってやってみることですよ。どっちに転んだって人間、野辺の石ころ同様、骨となって一生を終えるのだから。
鋭さを面にあらわして歩いているような男は才物であっても第二流だ。第一流の人物というのは、少々、馬鹿にみえている。
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皆が持つ微弱なる電流を強くせよ。
通常、人間は議論に負けても自分の所論や生き方は変えぬ生きものだし、負けたあと持つのは負けた恨みだけである。
日本は不思議な国です。一度賞を取れば、何にでもコメントを求められるし、またその気になれば何にでも発言できるんです。
人として生まれたからには、太平洋のように、でっかい夢を持つべきだ。
世の中の人は何とも云えばいへ。我がなすことは我のみぞ知る。
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