齋藤孝
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多くの人はやるべきことを1日単位で考えているはずです。つまり、朝会社に来ると「今日中にこれとこれとこれを終わらせよう」と決め、仕事を始める。ただ、1日単位だと、どうしても集中力は高まりません。むしろ、「この仕事は○時間、あるいは○分で終わらせる」という意識でスケジュールを組むべきなのです。
自分の気質とか仕事の向き不向きを見極めるコツは自分がこれだと疲れないという一点を見つけることです。
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雑談がうまい人は、上手な質問ができる人。質問しないと、相手が何に興味があるのかわかりません。
論文の「質」で目標設定を行っていたときは肩に力が入ってなかなか前に進めませんでした。しかし、「量」での目標設定に変えてみると、リラックスして取りかかれ、最後まで書きとおすことができました。完ぺきを求めるあまり完成に至らないという事態から、ようやく抜け出すことができたのです。
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好印象を生み出す3つのポイント。
アウトプットを具体的に想定することが、インプットの感度を高める。
英単語を覚えるように言葉や用法を覚えても、それは知識として自分の文章で使えるようにはなりません。言葉と価値観とはワンセットです。好きな著者の本を何冊も読むことをお勧めするのも、著者の考え方や人生観も含めてまるごと輸入して欲しいからです。
杓子定規に話すだけでは、嫌われはしないが好かれもしない。むしろ話に中身がなくても、とりあえず「うれしい」「楽しい」「悔しい」といった感情を前面に出す方が、親近感や共感を呼びやすい。
良かれ悪しかれ、人間はイメージの影響を受けやすい。成否は、いかに相手に具体的なイメージを伝えられるかに尽きる。
雑談の話題は芸能、スポーツ、経済、社会と何でもいい。当たり障りのない話題で複数のエサを撒き、相手が興味を持ってきたものを膨らませるのが有効です。
高いリーダー資質とは、先天的なものではない。日々シビアな決断をし続ける状況、人を束ね率いていく責任感の中で、みずから身につけ「技」にしていくものだ。頭で生きるのではなく、行動で示す習慣を身につけることで、人格的かつ身体的な魅力・迫力が、自然に伴っていくのだと思う。
ビジネスの書類作成で表やグラフを使うときは、何より求められている「利益」を意識することが重要です。その文章で問題になっている利益は何で、その利益に対して数字はどのような意味を持ち、どのような意思決定につながっていくのか。そこに関わる数字以外は不要です。必要のない部分はバッサリと切り落としたり、小さくする工夫が必要でしょう。
お勧めしたいのは、常にストップウォッチを持ち歩くことです。書類作りでも、打ち合わせでも、スタート時にストップウォッチを作動させます。まずはあらゆる仕事の作業時間を計測するのです。これが、次回同じ作業をする際の目安となります。次回はストップウォッチを意識しながら、前回より少しでも時間を短縮できるよう、仕事を進めていくわけです。感覚としては、タイムトライアルに挑戦するアスリートと同じかもしれません。時短をスポーツ感覚で楽しむことができれば、モチベーションも上がります。それを繰り返すことで、少なくとも、一回目に作業したときの半分ぐらいの時間で仕事を終わらせることができるようになるはずです。
おまえはまだ全力を尽くしていない。今おまえは自分で自分の限界をあらかじめ設定してやらない言い訳をしている。
優れたリーダーといわれる方にお会いして感じるのは、状況がよく見え、的確な判断ができ、自分が今何をなすべきかを見誤らないということだ。混沌としている人がいない。経験と実績に裏打ちされた自信が体に漲り、勢いがある。決断が早く、コミュニケーションに長け、声も強い。そうした精神の明晰さと身体的迫力が、人を惹きつける。部下やビジネスパートナーを「この人についていけば大丈夫だ」「この人と一緒に何かをなしとげたい」という気持ちにさせるのだ。
過去に、論文を書くのが仕事であるのにもかかわらず、2年間にわたってまったく書けなかったという苦い経験をしました。当時は「驚くほど質が高くて画期的な論文を目指す」という目標を掲げていたのですが、いまにして思えば、この目標設定自体がつまずきの原因でした。高い理想を掲げても目標の内容そのものが具体的な実効性に欠けていては、行動にはなかなかとりかかれませんし、モチベーションも上がりません。それに気づいて、2か月に1本論文を書くという目標に設定し直しました。
ほんの少し覚悟を決めるだけで、見違えるような環境が待っている。
会議の目的は、ある課題に対してアイデアを出し合い、チームとして意思決定し、その直後から全員が具体的に動き出せる体制を整えることにある。私の感覚で言えば、そこまでに至らない会議は時間のムダでしかない。
多くのビジネスマンの方は、自分がどれくらいの時間でひとつの仕事をしているかを、きちんと把握していない。なんとなく時計を見ながら、「15時くらいまでに終わらせよう」と思いつつ、時間どおりに終わらずに焦る。こんなことを繰り返していても、仕事の速度は上がりません。
組織において求められているのは、「ニュートラルな存在」であると私は思います。派閥やグループに属さず、誰とでも同じスタンスで関われる人がいると、その場が和んでオープンな空気になる。そういうニュートラルな人は、総じて雑談がうまいものです。誰とでも上手に話ができて、全員と適度な距離を保てる人は、人間としての器の大きさを感じさせます。つまり、周囲からの人望も厚くなるのです。
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