松岡修造
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高校に進んだら、中学3年のときに覚えた麻雀にハマってしまったんです。テニスはそれまで勝っていた選手にも負けるようになっていって……。だって、学校の授業が終わると仲間と卓を囲み、休日もラケットを持って「行ってきます」と家を出て、友達の家で麻雀三昧でした。そんな時期が2~3か月ぐらい続いたのかな。指先を見ると、テニスでできたマメが消えて、麻雀ダコができていて。ただ、「俺はテニスと麻雀のどっちを選ぶんだ」と考えたときがあって、テニスから離れていたので、それまで以上に「テニスが好きなんだ」ということを強く実感したんです。
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本は僕にとって友達です。
そうだ、僕は、心から本当にテニスが大好きなんだ!
僕はテニスの才能があると思ったことは一度もないし、テレビのキャスターや講演会といった今の仕事も、全く自信はありません。だからこそ、必死になって勝つための準備をするのです。
体力が落ちたり、疲れやすくなったりする人は、年齢的な要因もあるかもしれませんが、若い頃に比べて運動する機会が減っていることが大きな理由だと思います。その証拠に、トライアスロンを趣味にしている年配の方は、僕よりもよほど体力がありますからね。
僕は、「一所懸命」が大事だと思っているので、目の前のことに命を懸けながら生きてきました。
子供の才能を伸ばすには「いいね」「上手いね」「すごいね」と長所を見つけて褒めることだとよく言われます。これは大人にも当てはまることです。
病気をしてから覚えた僕流の治療法は、笑うことです。退院してすぐは、ほんの1分ボールを打っただけでヘトヘトになりましたが、それでもとにかく笑うようにしていると、不思議と段々疲れなくなっていきました。笑いが免疫系にプラスに作用したのだと思います。
悔しがればいい、泣けばいい、喜べばいい。それが人間だ!
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自分の意思を持つことの大切さを学んだのは、18歳で米国に渡り、プロを目指した経験が大きかったですね。日本ではすでに高校総体でシングル、ダブルス、団体で三冠を達成し、名が知られていましたから、何をするにしてもすべてがお膳立てされた状態でした。ところが米国では、自分から「こうしたい」と言わないかぎり、誰も何もしてくれません。テニスで強くなるためには、自分の考えをしっかりと持ち、自分を表現できなければならなかったのです。
いまここ修造。
自信がなくても、自信が持てるところまで頑張るために、やればできると信じ込むしかない。
ものごとが上手くいかないと、どうしても自分に対する怒りの感情が生まれてきます。そんなとき思い切って怒りを爆発させると、膨張していたマイナスの感情が消えて、スッキリすることが僕にはよくあります。スッキリすると、次に何をすればいいかがクリアに見えてきて、結果的に落ち込んだ気持ちを早く明るくすることもできます。
夜、ベッドに入って目をつぶると、その日にあったマイナスの出来事が浮かび、さらに悪い方向に想像してしまうことがあります。そんなときは心の中で「ストップ!ストップ!ストップ!」と唱えます。声に出してもいい。「ありがとう」でも「修造」でも言葉は何でもいい。不思議とネガティブ思考を止められます。
最高のパフォーマンスは必ずしも全力投球からは生まれません。
眉間にしわを寄せていたところで、悪い状況がよくなるわけではない。むしろ、「これを乗り切れば、またひとつ上のステージに行ける!」と明るく危機を受け止める姿勢が必要です。思い通りにならないときでも、そこでしか学べないものはあると思います。
自分へのご褒美は、家で思いっきり猫と遊ぼうとか、好きな漫画を一晩中読もうとか、人から見たら「大したことないな」と思うようなことでもいいのです。大切なのは、目標をひとつ達成した自分を、一番楽しい状態に持っていってあげることです。
心の底から好きなことに本気で取り組めるなら、それは幸せ。
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自分を好きになれ!
モチベーションを高めるために、最も手っ取り早い方法が、失敗すること。結果が出ない時、失敗した時、その場で「何が足りなかったのか」「打開するには?」「本当の動機は何か」など、紙に書き出して検証していますか?僕がモチベーション高く、今の仕事を続けられているのは、人を応援することが好きで、テニスよりも向いていると思うから。テニスで勝負したいという動機はなくなったけれど、人を応援したいという動機はなくならない。だからこそ、仕事で失敗してもモチベーションが続いているのです。
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