チェ・ゲバラ
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医学に身を捧げるか、それとも革命の兵士としての務めを全うすべきか、私は苦しんだ。リュックサックにはたくさんの薬と弾薬ケースがつまっている。両方いれていくことはできない。私は弾薬ケースを取り出し、あとはそこに置いていった。
3
「集団」は「個」と対立するもの、という感覚がどんどんふくらんでいった。前もそうだったように、私はいつも人から私的な援助を受けず一人で我が道を探し出すたちだ。でもいまでは、自分の歴史的任務について考えるようになった。私もいっぱしの人間であると感じられて、満足だ。
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人間には誰でもその人なりの欠点があるが、私の欠点は誰の目にもわかりやすく、互いに矛盾しあっている。
2
信じられないような偶然のおかげで、私にはいまわかった。私は旅をする運命にあるのだ、と。
夢みがちな心を満たそうと思うと、ひとところに落ち着くことがなかった。医学部にも病院にも試験にも、飽き飽きしていた。
戦場にもってきた思い出のよすがは、二つだけ。一つは妻からの包帯、もう一つは母からもらった石のついたキーホルダーだ。
私はいまだに冒険家ではあるけれど、いまの私の冒険は正義を追い求めることだけだ。
私たちは、身体中ヒロイズムにあふれていたが、頂上にたどりつけなかった。訓練で死ぬ覚悟はできていた。
1
いきあたりばったりに南北アメリカを旅したことで、私は、自分でも気づかないほど変わった。
私は39歳になった。ゲリラ戦士としての自分の将来について考えなければならない年齢に、容赦なく近づいている。
何千回でも答えよう。「その通りだ」と。
「開発途上」とは何か?歪められた異常な開発の産物である。それが我々だ。我々は丁寧に「開発途上」と表現されているのである。実際は、我々は経済制度を帝国主義によって変形させられた、植民地あるいは反植民地、あるいは従属国の住民である。
甘ったるいと思われるかもしれないが、言わせてほしい。本当の革命家は、大いなる愛情に導かれている。愛のない本物の革命家なんて、考えられない。
仕事を辞めなければならないのは私も同じだったが、彼と違ってとてもうれしかった。
フィナーレだ。比類なき大音声とともにフィナーレが次々に展開していく。十万人もの人々の歓声がとどろく。彼らの歌は奥深い。フィナーレをききながら、勇気が湧きおこる音がきみにも感じられるだろう。
我々には誰だって、ちょっとした虚栄心が隠れているものだ。当時私は、世界で一番プライドの高い男だと思っていた。
私を殺しに来たのだろう。撃て、臆病者め。お前の目の前にいるのはただの男だ。
人は環境によって抑圧される自身の人格を守り、汚れのないままでいようという願望をもつユニークな存在として、芸術的な観念に反応する。それは逃避以外のなにものでもない。
大きな仕事をおこなうには、なにごとであれ情熱が必要だ。革命には、多くの情熱と大胆さが求められる。
4
代表の皆さん、これは、アメリカ大陸における新たな姿勢だ。我らの人民が日々上げている、叫び声に凝縮されている。また全世界の民衆に支持を呼びかける叫びだ。特にソ連が率いる社会主義陣営の支持を。その叫びとは、こうだ――「祖国か、死か!」。
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