正垣泰彦
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不況で売れないのではない。不況だからこそお客さんにとって価格より値打ちがあると思うような商品を出せば絶対に売れるはず。
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「心を込めて作っているから高くていい」なんてお客さんは思っていない。
目的地に向けてクルマを走らせているときにアクセルやブレーキを踏むのは当たり前です。それは経営でも同じです。大切なのは目的地を見失わないことです。
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野菜は自社基準に照らし合わせて、自信をもって安全と言い切れない限りお客様に出すのはやめようということで、違う産地でとれた農作物をつかったり、放射能汚染の疑いがないビニールハウスで栽培をしたりしています。PBをつくるので、当然種からです。種からつくってつくったら管理をして、いかに自分たちの工場に持ってくるかを農家の方に指導するわけです。その代わり、それをやってくれたらこれだけの金額で引き取りますよと。
おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ!「自分の店の料理はうまい」と思ってはいけない。それこそが悲劇の始まりだと私は思っている。なぜなら、「自分の店の料理はうまいと思ってしまったら、売れないのはお客が悪い。景気が悪い」と考えるしかなくなってしまうからだ。
私は教育においても言葉より数字を重視します。その方が相手に伝わるし、行動しやすいからです。
仕事量や仕事の種類が多いと、お客様のタイミングを見計らうといったことはできません。だから、仕事を増やすのではなく、絞り込んでいくことが重要になります。「絶対にやる仕事」と「やってはいけない仕事」に二分し、絶対にやる仕事だけを徹底的に遂行する。お客さんや店にとって一番大事なことは日々変化していくけれど、その時々で優先順位があり、その優先順位通りに徹底できることが大事なんです。
巷に流通している野菜は、スーパーマーケットで売るためにつくられています。大きさ、色、形などにこだわり、高く売れるものがいいとされているんです。そうじゃなくて、食べておいしい野菜をつくろう。そこに私たちが農業を始めた理由があります。そのために、野菜の品質管理から手掛けたわけです。見栄えは関係なくて、美味しくて栄養素があればいい。社内でいろいろと勉強したうえで、契約農家に対しては温度管理から収穫まで様々な指導をしながら力を合わせてやってきました。
紳士服チェーンや100円ショップなど、気になったところは何でも見に行きます。料理と違って、経営の仕組みはどの業界からも学べます。むしろ、飲食とはまったく異なる業界の方が、固定観念を持たずに見られる分、ヒントを見つけやすい。
正しい考え方に基づく限り、何かに挑戦し、それが期待通りの結果に今の時点でならなかったとしても、それはいわゆる「失敗」ではない。うまくいかなかったら、その方法を次は避ければよいだけで、「成功」に近づいていると考えるべきだ。
慣性の法則みたいなもので、社会は簡単に動きません。放っておいても誰もやらないので、各々が会社単位でやっていくことが大事なんじゃないでしょうか。自分たちはどうするのかを議論して、やるべき方向に向かって行動していくだけです。
生産性を高めるというと労働時間を短くすると考えがちですが、我々は作業量を減らすことを徹底します。
お客様が喜んでくれる価格で提供するのが一番最初。そこからどう企業努力するのかを考える。
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ビジネスを含めて、何かが起こればそれはチャンスに転換できます。
数字に強くなりたいなら、割り算を得意にすることです。割り算の良い点は、大きな数字を「人員数」や「作業時間数」などで割ることで、「l人当たり」「時間当たり」といったイメージしやすい数字に変換できることにあります。こうすれば目標に落とし込みやすい。
物理の公式と同様、ビジネスにも原理原則があります。それを発見するには主観を排除して、数字で考えないといけない。
厨房内の作業を、関節を曲げる回数に至るまで細かく分析して無駄をなくしています。従業員が疲れない動作を突き詰めた結果、包丁もなくなってしまった。
疲れないで、楽をすればもっともっと大きくなる。
ビジネスの数字はすべて意味がある。私は常に数字にこだわって経営をしてきました。
産地契約の農家の方々とは、ほかよりいい条件でやっているはずです。高く買わないと、農家の方も真剣にいいものをつくってくれないんですよ。逆にきちんとした値段で買うと、農家の人達はもっと安くできる方法はないかと考えてくれるんです。これが本当のカイゼンなのです。サイゼリヤも農家の方々も、皆が良くならないと意味がない。
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