佐藤優の名言
元外交官、作家
佐藤優の名言。全189個。
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人間、仕事ができるようになってくると、それまで見えなかった世界が見えてくる。人から感謝されたり、頼られたりすること、それがモチベーションになることもある。
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「雑談する力」と教養の間には正の相関関係がある。従って、教養のある人間になることを目指せば、おのずから「雑談する力」が身につく。
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初めて会う人と、もっと関係を深めたい、親密になりたい思ったら、相手に物を借ります。返さなければいけないから、それを口実に、また後日会う約束ができ、さらに近づけます。
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だいたい革命運動やテロを伴う国家改造運動は、知的エリートが起こす。現在の体制で、恵まれた地位を得ていない知的エリートが、困窮している人々の立場を代行して行うということになる。
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国際政治について語る際に絶対に記憶しておかなくてはならない基礎知識が、近代国際政治の枠組みを創った1648年のウェストファリア条約だ。
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皮肉なことに、僕たちは自由とたくさんの選択肢がありすぎると、逆に迷路に入り込み、大切なものが見えなくなってしまうことの方が多い。
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締め切りやアポの予定、電話の内容を書き留めたメモや、次の単行本の構想まで、すべて一冊のノートに記録しています。自分が何をしたか、これから何をしなくてはいけないかは、ノートを見ればすぐにわかります。
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手帳は頭で覚えていられないものを補完的に記録するためのツールであり、頭の中に明確に存在しているものをあえて手帳に書く意味はない。
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勉強していくと何が変わるか。知識の量が増えるのはもちろんですが、それとともに興味の対象が変わり、楽しいと思えることが変わってきます。自分のつきつめる分野を、もっともっと勉強したくなるのです。
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政治の基本的なゲームのルールは、味方と敵を峻別することにある。これは、内政や外交、また会社や役所の内部で行われる権力闘争のすべてにおいて適用される、基本中の基本だ。
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頭を柔らかくする努力をしておくことが肝要。僕がおすすめする方法は、数学を改めて勉強し直すこと。数学ほど、論理的思考や発想力が鍛えられる勉強はありませんから。
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私たちが幸福に近づくには、才能があるとかないとかいう問題よりも、努力することで得られる人間性の高まりだとか、その途上で得られる人間関係の深さが大事になってくると思う。
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人間の心理は不思議なもので、モースが「贈与論」で詳しく論じているように、与えられ続けると、ある臨界点を越えたところで相手に返したくなるんです。
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誰だってお金は欲しいし稼ぎたいと思う。ただしお金には麻薬のような、一種人間の感覚を麻痺させる魔力がある。お金の大切さと同時にお金の怖さも知っておかないといけない。
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本気でケンカをしなきゃならない場面って、そうそうないはずですよ。自分の考えや意志を通したいのであれば、別なやり方がいくらでもある。
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組織とケンカをしてもまず勝ち目はない。ただし、勝てないまでも引き分けに持ち込むことは可能です。それは「局地戦」に持ち込むこと。
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小説を読んでいる人といない人では、人間の幅が違ってくる気がする。様々な代理経験ができるという意味で、小説ほど有効なものはない。
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得意な分野にこそ落とし穴が潜んでいる。人って不得手な分野ではなく、意外に得意分野でつまずいていることが多いんじゃないですか。
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仕事が楽にできるようになったと感じたら、次のステップに進み、新たなことに挑戦することで自分に負荷をかけ、さらに能力を高めるべき。
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怖いのは仕事がラクになることでそこに安住し、新たな挑戦をしなくなること。マンネリズムの中に埋没し、気がつくと思考力や発想力が鈍化してしまう。
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一般書も専門書も翻訳書も技法は同じだが、どの書籍を超速読するにせよ、当該分野の基礎知識がない書籍を速読することはできない。
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お金はある段階以上になると、力に変わる。すると民衆からは妬まれ、国家からは警戒される。世界の大富豪たちが社会への還元や分配を考えるのは、それをしないと社会や国家からスポイルされる危険を知っているから。
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じつは上司は、イレギュラーな仕事ほど部下がどうこなすかを見ている。本来の自分の仕事は誰でも緊張感を持って真剣に取り組む。でも急な用事や雑用を嫌がらずこなしてくれる部下こそ上司は信頼するんです。
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拘置所では、物事はわかりやすくやらなければいけないと決めていました。悪いことをしていないと思うのだったら、最後まで争うと。とにかく、わかりやすくやることが、次の人生のやり直しのためには絶対必要だと。
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デジタルツールは物理的な限界がなく情報を貯め込めるが、後で使わない情報をとっておいても意味はない。自分が消化できる情報容量を考えたうえで、入れる情報の取捨選択をしよう。
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夢や目標は、基本的に自分の頭の中に刻み込まれているはずだ。書かなければ達成できない夢や目標は、おそらくどこかに無理やウソがある。設定から見直したほうがいいのではないだろうか。
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毎日の行動をノートに書き込むことはムダにならない。一日の行動を振り返ることで、不要な仕事の存在や非効率な時間の使い方を把握できるという効果があるからだ。
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原稿を書くのに適しているのは、夜より朝だ。夜はどうも感情的になりやすく、原稿が荒れてしまう。あえて攻撃的なものを書きたいときは別だが、基本的には朝書いたほうが質のいいものができる。
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相手がどんなものにとらわれ、何に偏見を持ち、何を差別しているかというのは、その人の教養を見ればわかります。教養のある人物ほど偏見と差別意識が少ない。ありのままに相手を受け入れられる人だと思う。
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いまの30代、40代は、ある意味、賢く現実的で無茶をしない。でもそれだけに、自分の力はこんなものと過小評価している人が意外と多い。一度、等身大の自分を見つめ直してみることで、きっと変わってくるはず。
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僕自身、部下との関係を築くことで、失うことよりも得るもののほうがはるかに多かった。教えることで自らも成長する。上や横だけでなく、下に目線をおろしたときにこそ見えてくるものがある。
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人が思い悩むのは自然の心理。悪いことではありませんし、悩みながら新たな何かをつかみ取ることもあります。が、あまりにそこに囚われすぎると目が曇ります。
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その仕事がモノになるかどうかは才能云々の前に、「本当に好き」であるかどうかも重要。「好き」という時点で、すでに才能や適性があるのだと思う。
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膨大な仕事をこなすには、まずは上手な手の抜き方を覚えること。上手に手を抜くってことは、仕事で何が求められているかを見抜くことでもある。
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僕はあえて仕事は断るなと言いたい。とくに20代、30代の若い時は自分の力の少し上、120%くらいの仕事を引き受ける。そうやって自分に負荷をかけ続けることで、能力はどんどん高くなっていく。
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交渉や話し合いが煮詰まってきたら、思い切ってコーヒーブレークを取ったり、思い切って日を改めたり、クールダウンの期間をとりましょう。気分が変われば、案外話は進展します。
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ケンカする際に大事なのは嘘をつかないこと。嘘をついたことが明らかになると、一気に不利になります。外交の世界では嘘をつかない範囲で相手の話をけむに巻く、ごまかしたりするテクニックが用いられます。
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ちゃんとした資料に当たるなり、電話で大元の情報源に当たるなりして、裏を取らないといけない。情報が溢れるいまだからこそ僕らは気をつけなければ。
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僕たちは、「諦めないこと」と「諦めるべきこと」を上手にマネジメントして生きていかないといけない。でないと報われないものにハマって自分自身をダメにしてしまう可能性がある。
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理想的な上司なんてものはまずいない。そんなものを探し求めていたら、理想的な女性を探し続けているピーターパンみたいになる人と一緒。
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完全に嘘をついてしまえば、それを隠すために大変な労力が必要になる。逆に言うならば、相手に嘘をつかせたら交渉事で有利に立てる。
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SNSやメールなど、自分が「相手の時間を奪っている」という感覚を持つことが大事。時間泥棒が多い世のなかだけに、自分の時間を確保するのが難しい時代。
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外界の騒音をシャットアウトして、自分の内側の声にそっと耳を澄ましてみる。そんな時間が、雑音に溢れたいまの時代にはとくに必要。
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数学力がとても大事。数学の力が磨かれると、論理力が磨かれる。物事の優先順位やカラクリを見極めることが容易になる。これは仕事の能力に直結する。
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時間の使い方、とくに「ペース配分」が大事。ずっとオンのまま、全速力で頑張っていたら続かない。どこかでエネルギーを蓄える時間を作らないと。
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人生は学びの連続。とくにいまの時代は目先の忙しさに追われて、インプットする時間がなくなってしまいがち。意識的にインプットに取り組む必要がある。
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好きなことを続け、ひたむき努力をする限り、私たちは誰しも何かしら成長することができる。社会的な成功や名声を得るといった表面的なことよりも、それ以上に、はるかに意義深いものがそこにある。
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自分を取り巻く人たち、目の前に起こる様々な出来事をできうる限り断らずに受け入れる。それに誠実に精一杯向き合っていけば、取るべき道、進むべき舞台へと導いてくれる。
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自分がかっこいいことを行っても、心の中でもう一人の自分が「それ本当か?」と突っ込みを入れる。いろんな声を自分の内側に持つことはとても大切。これがないと、自己満足のナルシストになってしまう。
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40代こそメンターが必要。40歳というのはちょうど折り返し地点。様々な転機が訪れる時期。そんなときに身近にお手本になる人物がいるのといないのとでは大きな違いがある。
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外務省で働いていた頃、部下を見分けるのに「小さな嘘をつかないか」「約束を守れるか」で判断していました。嘘をつく部下は要注意。小さなごまかしをする、約束を反故にする人はいつか大事な場面でミスを犯す。
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徹底的に働く。これは自分自身がある程度のレベルに達するまでは、やっぱり必要なことだと思う。「鉄は熱いうちに打て」という言葉がありますが、昔は若いうちに徹底的に鍛えるという風潮があった。
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インテリジェンスの仕事は国益を背負い、お互い暗黙のルールの中で駆け引きをするもの。嘘をついたり、相手の感情を読み取れなかったりする人間は、普通の職場でもアウトでしょうが、外交の仕事ではとにかく致命的。
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教育にお金をかけられないなら、社会に出て確実に生かせる知識と、その知識を使いこなす術が身につくよう仕向けることが大切です。
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「ギブ&ギブ」を実践するには、まず自分が家族に何を「与えられる」のかを知る必要があります。実は、それを真剣に考えることが、今の社会を生き抜くカギになるのです。
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結局、大事なことは「主体性」なんですね。自分で自分をマネジメントしコントロールする。人から頑張れと言われてやるのでも、マスコミに煽られてハマるのでもない。自分で決めて行動するということなんです。
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みなさんは怖い相手、なんだか威圧的でビビる相手はいますか?自分がどんな相手に対して怖じ気づくのか、なぜビビるのか、一度考えてみるのは自分自身を知る上でも有効。
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政治的に敵であると認識することと、相手を憎み断罪するということは、まったく別の話だ。外交の世界では、国家間の利害が敵対しているときにこそ、外交交渉に従事する外交官の人間的信頼関係が重要になる。
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数学的な思考回路を鍛えると、段取り力が磨かれる。いかに最短で解を出すかを必死で考えるからです。この段取り力が、そのまま仕事のスピード化に応用できる。
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投資というのは相手との戦いだけでなく、自分との戦いでもある。パチンコをやる人はよくわかると思いますが、引き際が難しい。勝っているうちはやめられない。自己コントロールが大事になってくる。
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小説には必ず人間の怒りや憎しみがテーマとして出てきます。よい小説を読むことで、人間の心の奥底にあるものや動きを知ることができる。
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30代、40代の男性にすすめるのは、できるだけ女性の友人を持ってみることです。そういう女性たちとたまに食事をする。男同士では得られない情報や、新鮮なものの見方を得ることができるはず。
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「人生、守りに入ったら終わりだ」と言われますけど、僕に言わせれば、「守り」ほど大切なことはないと思う。とくに家族のある40代ならなおさら。
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忙しいときこそ、フッと肩の力を抜いて、ちょっとだけ、他の人生の可能性をシミュレーションしてみてください。意外な人生のヒントが見つかるかもしれません。
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「侮り」の対極にある言葉は「畏れ」。目に見えないもの、形に表れないものを尊重する気持ちが「畏れ」。現代人はこの「畏れ」の感覚を決定的に失ってしまった。
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いろんなことにビビっちゃう人は、「自分はなぜビビるのか」を分析するだけでも変わってくるはず。現実から目をそらし逃げるのが一番良くない。
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仕事を先送りするか、前倒しするか。その判断がうまくできる人は現在から明日、明後日と、頭のなかに時間軸がしっかりできていて、仕事の遠近感が見えているもの。
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自分の要求を通したいと思ったら、まず相手の要求をよく聞いた上で、要求の8割に関しては譲歩する。そうやって相手に貸しを作りながら、大本命の要求に関しては飲んでもらいましょう。
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忙しいからこそ、最初に自分の時間を確保してしまう。そうやって時間の天引きをしておかないと、いつまでも自分の時間が作れない。
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物事には何でも時宜というのがあります。タイミングを逃したら、失ってしまうものもある。とくにビジネスでは売り上げとも大きく関わってくる。
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先延ばしをする性向には、合理的な判断力の欠如がある。どうもいまの世のなか、全体的にその合理性が危うくなってきているように感じる。
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感情ではなく理性で対象を分析すると、怒りはそれほど起きないもの。あるいは怒りが湧き出てきたら、その怒りはどこから生まれてきたのかを冷静に見極める。怒りの感情を客観視することで冷静になれる。