ゲーテ
1
人間は努力する限り過ちを犯すものだ。
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仕事の圧迫は心にとって極めてありがたいものだ。その重荷から解放されると、心は一段と自由に遊び、生活を楽しむ。仕事をせずにのんびりしている人間ほどみじめなものはない。そんな人はどんなに美しい天分も厭わしく感じる。
興味のなくなるところ、記憶もまたなくなる。
2
蚕は紡ぎながらだんだん死に近づくとしても、糸を紡がずにはいられましょうか。
あらゆることは、すでにほとんど人によって考えつくされている。しかし大事なことは、それを自分で考えてみることである。
拒絶するのに多くの言葉を費やす必要はない。相手はただ否という一言を聞けばよいのだから。
人はただ自分の愛する人からだけ学ぶものだ。
最も重要なことを簡単に申しましょう。若い詩人は、生きて働き続けているものだけを、たとえそれがどんな形においてであれ、表現するように努めなさい。反対のための反対、悪口、ただ否定することしかできないものを、ことごとく退けてはなりません。ただの否定からは何も生まれてこないのですから。
財布が軽ければ心は重い。
5
人は努力するかぎり、迷走するものである。
人をほめれば、その人と対等になれる。
身分不相応の生活をする者は、ぼろが出る。
鍛冶場では、火を吹き、鉄棒から余計な成分を除いて、鉄をやわらかにする。純粋になったところで鉄棒を打ち、強い力を加える。そしてほかの水の成分によって、鉄棒は再び強くなる。同様のことが、人に対してもその師によって行われる。
自分が自由だと称するのは、大変僭越なことです。なぜなら、それは同時に自分を制御する意志をも表明しているからです。誰にそれができるでしょう。友人たちに若い詩人たちに、私は次のように言いたい。君たちは、今は規範というものを一つも持っていない。それは君たちが自分で得なければならない。
輿論に於いて人の誤解されやすいのには驚く。実に驚く。
すべては等しく、すべては等しくない。すべては有益であり、かつ有害である。すべては語ると同時に無言であり、理性的であると同時に非理性的である。人が個々の事柄について表白することはしばしば相矛盾する。
うまく使えば、時間はいつも十分にある。
自分のなすべき正当なことのみを行なえ。そのほかのことはおのずからなされよう。
憎しみは積極的な不満で、嫉妬は消極的な不満である。したがって、嫉妬がすぐに憎しみに変わっても不思議はない。
人は、全世界の問題を解決するようには生まれていない。しかし、自分の限られた理解力のなかで、自分がやらなければいけないこと、そして、自制しなければいけないことは見出せるはずだ。
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