ゲーテ
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常に時間はたっぷりある。うまく使いさえすれば。
真理と誤りが同一の源泉から発するのは、不思議であるが、確かである。それゆえ、誤りをぞんざいにしてはならぬことが多い。それは同時に真理に傷をつけるからである。
多数というものより気にさわるものはない。なぜなら、多数を構成しているものは、少数の有力な先導者のほかには、大勢に順応するならず者と、同化される弱者と、自分の欲することすらわからずに従ってくる民衆とであるからだ。
青年は教えられることより刺激されることを欲するものである。
1
戦の前に敵を見くびるのは愚かなことであり、勝利のあとで敵に追い討ちをかけるのは卑怯なことである。
どんな方法で世界を知ろうと、明と暗の両面があるという事実は変わらない。
2
人間は重要なことを、決して十分にじっくりとは考えないものである。
愛することが苦手な男は、せめてお世辞の言い方くらいは身につけておいた方がいい。
真の情愛が、若造をたちまち一人前の男にたたきあげるのだ。
3
自由でないのに自由であると考えている人間ほど、奴隷になっている。
才能は静けさの中でつくられ、性格は世の荒波の中でつくられる。
ある女が情熱的に愛されるのを見ている別の女は、表面上しぶしぶ親友の役を引き受ける。愛されている友達にかわって、自分がそおっと成り上がる、それも悪くない…というひそかな思いをほとんど無意識にいだくからである。
学術においても、実際は人は何も知ることはできない。つねに実践が必要である。
誤りも、我々が若いうちは、きわめて結構だ。ただそれを歳をとるまで引きずっていってはならない。
生きている間は、なにごとも延期するな。なんじの一生は、実行また実行であれ。
光が多いところでは、影も強くなる。
誰一人知る人もない人ごみの中をかき分けていくときほど、強く孤独を感じるときはない。
4
若い友人たちにいくらすすめても足りないと思うのは、自己省察を学ぶことです。詩の言葉をあやつることがいくらか容易になっても、それに伴って、内容にますます重さを加えるべきことを忘れてはならないからです。詩の内容は、自分の生命の内容に他ならないのです。
人間が自己の敵対者の長所を認めるとき以上に大きな利益はめったにない。このことが彼に、敵対者に対する明確な優越を与える。
すべてを自分自身のおかげだと思うとしたら、それ以上進歩はできない。
ゲーテのすべての名言