ショーペンハウエル
1
人生の幸福にとっては、我々のあり方、すなわち人柄こそ、文句なしに第一の要件であり、最も本質的に重要なものである。
0
船荷のない船は不安定でまっすぐ進まない。一定量の心配や苦痛、苦労は、いつも、だれにも必要である。
3
人生は苦しみと退屈のあいだをたえまなく揺れ動いているようなものだ。
おいしい料理も、呑みこんでしまえば我々の感覚にとってはないも同じだ。欲求はそれを満足させたとたんに、もはや我々には関係ないものになる。
2
人間の社交本能も、その根本は何も直接的な本能ではない。つまり、社交を愛するからではなく、孤独が恐ろしいからである。
4
障害と闘って勝つことが人間を幸福にする。
我々は生まれたからには死ななければならない。死は我々という餌食を呑みくだすまえに、ひとときおもちゃにしているだけなのだ。
読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。習字の練習をする生徒が、先生の鉛筆書きの線をペンでたどるようなものである。だから読書の際には、ものを考える苦労はほとんどない。読書にいそしむ限り、実は我々の頭は他人の思想の運動場に過ぎない。そのため、ときにはぼんやりと時間を潰すことがあっても、ほとんど丸一日を多読に費やす勤勉な人間は、次第に自分でものを考える力を失っていく。
礼節とは、道徳的にまた知的に貧弱な互いの性質を互いに無視し合いながら、非難しまいという暗黙のうちの協定である。
孤独を愛さない人間は、自由を愛さない人間になってしまう。なぜなら、孤独でいるときにのみ、人間は自由になれるのだから。
最後に凱歌を挙げるのは死である。
すべての人間は、他人のなかに鏡を持っている。
軽信というものは、善良に生まれついた人に具わる特徴である。
無知は富と結びついて初めて人間の品位をおとす。
失ってはじめて我々は恵みに気がつく。
謙譲というものは、平凡な能力を持つ人間の場合には単なる誠実であるが、偉大な才能のある人間の場合には偽善である。
我々は他の人たちと同じようになろうとして、自分自身の4分の3を喪失してしまう。
時は、時をよく用いる者には親切である。
礼儀正しさが人の本性に訴えかける働きは、熱がロウに伝える働きのごとし。
男同士は本来、互いに無関心なものだが、女は生まれつき敵同士である。
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