ショーペンハウエル
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人は、その生涯の最初の四十年間において本文を著述し、続く三十年間において、これに対する注釈を加えていく。
1
どのような運が降りかかろうと、喜びに浮かれることのないように、悲しみに暮れることのないように、万物は流転し、そして運もまた、いつ変わるとも知れないのだから。
2
虚栄心は人を饒舌にし、自尊心は人を寡黙にする。
われわれのすべての災禍は、我々がひとりきりではいられないことに由来する。
3
人生の情景は、粗いモザイクの絵に似ている。この絵を美しく見るためには、それから遠く離れている必要がある。間近にいては、それは何の印象も与えない。
未だかつて、自分は本当に幸福だと感じた人間は一人もいなかった。
なんびとにもせよ、まったく突如として、人は生きているのである。
強い人間は自分の運命を嘆かない。
老年の歳月における人生は、悲劇の第五幕に似ている。
音楽とは、世界がその歌詞であるような旋律である。
紙上に書かれた思想は、砂上に残った歩行者の足跡に過ぎない。歩行者のたどった道は見える。だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。
人間の幸福の二つの敵は苦痛と退屈である。
読書しているときは、我々の脳はすでに自分の活動場所ではない。それは他人の思想の戦場である。
どのような不幸に際しても、何よりも強い慰めとは、自分より、もっと不幸な他の人たちを見ることによって得られる。
読書とは、自分で考える代わりに他のだれかにものを考えてもらうことである。
重要な思想を誰にでもわからせるように表現するほど難しいことはない。
誰かが嘘をついていると疑うなら、彼らを信じたふりをするといい。すると彼らは大胆になり、もっとひどい嘘をついて正体を暴露する。
人間は、金を貸すことを断ることによって友人を失わず、金を貸すことによってたやすく友人を失う。
信仰は愛のようなもので、強制することはできない。
あきらめを十分に用意することが、人生の旅支度をする際に何よりも重要だ。
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