ショーペンハウエル
1
人間の幸福の二つの敵は苦痛と退屈である。
0
どのような不幸に際しても、何よりも強い慰めとは、自分より、もっと不幸な他の人たちを見ることによって得られる。
2
読書とは、自分で考える代わりに他のだれかにものを考えてもらうことである。
強い人間は自分の運命を嘆かない。
老年の歳月における人生は、悲劇の第五幕に似ている。
紙上に書かれた思想は、砂上に残った歩行者の足跡に過ぎない。歩行者のたどった道は見える。だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。
音楽とは、世界がその歌詞であるような旋律である。
人生の情景は、粗いモザイクの絵に似ている。この絵を美しく見るためには、それから遠く離れている必要がある。間近にいては、それは何の印象も与えない。
未だかつて、自分は本当に幸福だと感じた人間は一人もいなかった。
われわれのすべての災禍は、我々がひとりきりではいられないことに由来する。
3
なんびとにもせよ、まったく突如として、人は生きているのである。
孤独は優れた精神の持ち主の運命である。
人は、その生涯の最初の四十年間において本文を著述し、続く三十年間において、これに対する注釈を加えていく。
どのような運が降りかかろうと、喜びに浮かれることのないように、悲しみに暮れることのないように、万物は流転し、そして運もまた、いつ変わるとも知れないのだから。
多く笑う者は幸福にして、多く泣くものは不幸である。
4
虚栄心は人を饒舌にし、自尊心は人を寡黙にする。
金銭は、人間の抽象的な幸福です。だから、もはや具体的に幸福を享楽する能力のなくなった人は、その心を全部、金銭にかけるのです。
良書を読むための条件は、悪書を読まないことである。
男同士は本来、互いに無関心なものだが、女は生まれつき敵同士である。
無知は富と結びついて初めて人間の品位をおとす。
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