ショーペンハウエル
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われわれのすべての災禍は、我々がひとりきりではいられないことに由来する。
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人生の情景は、粗いモザイクの絵に似ている。この絵を美しく見るためには、それから遠く離れている必要がある。間近にいては、それは何の印象も与えない。
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なんびとにもせよ、まったく突如として、人は生きているのである。
2
孤独は優れた精神の持ち主の運命である。
老年の歳月における人生は、悲劇の第五幕に似ている。
人は、その生涯の最初の四十年間において本文を著述し、続く三十年間において、これに対する注釈を加えていく。
どのような運が降りかかろうと、喜びに浮かれることのないように、悲しみに暮れることのないように、万物は流転し、そして運もまた、いつ変わるとも知れないのだから。
人間の幸福の二つの敵は苦痛と退屈である。
金銭は、人間の抽象的な幸福です。だから、もはや具体的に幸福を享楽する能力のなくなった人は、その心を全部、金銭にかけるのです。
読書しているときは、我々の脳はすでに自分の活動場所ではない。それは他人の思想の戦場である。
虚栄心は人を饒舌にし、自尊心は人を寡黙にする。
良書を読むための条件は、悪書を読まないことである。
男同士は本来、互いに無関心なものだが、女は生まれつき敵同士である。
無知は富と結びついて初めて人間の品位をおとす。
謙譲というものは、平凡な能力を持つ人間の場合には単なる誠実であるが、偉大な才能のある人間の場合には偽善である。
重要な思想を誰にでもわからせるように表現するほど難しいことはない。
誰かが嘘をついていると疑うなら、彼らを信じたふりをするといい。すると彼らは大胆になり、もっとひどい嘘をついて正体を暴露する。
軽信というものは、善良に生まれついた人に具わる特徴である。
多く笑う者は幸福にして、多く泣くものは不幸である。
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読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。習字の練習をする生徒が、先生の鉛筆書きの線をペンでたどるようなものである。だから読書の際には、ものを考える苦労はほとんどない。読書にいそしむ限り、実は我々の頭は他人の思想の運動場に過ぎない。そのため、ときにはぼんやりと時間を潰すことがあっても、ほとんど丸一日を多読に費やす勤勉な人間は、次第に自分でものを考える力を失っていく。
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