武田双雲
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こうなりたいという理想があるとします。しかし「理想」と思った時点で、それは今の自分がそうでないということを無意識のうちに感じているわけですから限界があります。それはでもったいないことです。
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よくお金のことを考えないで・・・ということがありますが、お金というものは、世界で唯一、自由に交換できて共通に利用できる指標で、人や社会と切っても切れない関係にあります。ですからお金のことを考えることは、寧ろ、人間や社会を大切に見ることではないでしょうか。
「ボクナラドウスル」想像力を鍛えるのにとっておきの言葉。
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自分から闇雲にパンチを出していた時代より、周囲から期待される方がしんどかった。テレビに出たら視聴率を出さなければいけないし、個展を開いたらデパートに集客と売上をもたらさなければならない。結果を出さなくてはいけないというプレッシャーに負けそうになっていたんです。だけど、その中で人との絆に気づき、助け合って進めばいいと思えてきた。
飛躍のきっかけになったのは、人と会ったとき、自分のすごさをアピールすることをやめたことです。自信がないと、認めてもらいたくてどうしても誇示しようとしてしまう。でもあるときから、「どうしたら、相手に喜んでもらえるか」だけを考えるように変えたんです。そうしたら、人がどんどん助けてくれるようになって、ものごとも上手くいくようになったんです。
人間には、突然火がついてしまうことがあります。手が器用だとか友達がたくさんいるとかそういう何の意味もないように思えたことがある日いきなり宝物のように輝き出す。僕の場合はそれが書道だった。
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NTTを辞め書道家へ進んだのも自然なことでした。またそれに相応しい人間力をつけるためにも、既に1億人に影響を与えている自分になりきって、ものを見て、考え行動しています。例えば、「私には志がある。だからできるはずだ。依頼される仕事だって、いい仕事なはずだ。意味があるはずだ・・・」と。
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伝えたいものがあって、その手段が書で、創作もパフォーマンス書道もそういった表現方法の一つに過ぎません。あくまでも伝えることが目的です。評価されたいというのが私の野心かもしれません。兆しが見えていてそれを形に表現していく彫刻のようなものかもしれません。
自分は満たされていないと普段思っていても、意外と小さな幸せがあるものなのだ。
自分がどう思われるかばかりが先行している時は、うまくいかない。「どうだ!」という劣等感からくる変な強気は、全部空回りする。むしろ、「この人を元気づけたい。どうしたらいいかな?」と、好奇心を持って接するようにしたら、人が集まるようになっていった。つまり、こちらの心構えが変われば、相手も変わってくると知った。
「得意なものなんてない」という人も多いと思います。でも、頼りないかもしれないけど、自分のいま持ち得るスキルと経験で、このチームを、このお客さんを喜ばすことができないかと考える。それが自分を成長させてくれる気がします。
「結果出すぞ」「成功するぞ」なんて意気込みは捨てて、「楽しもう!」「遊んでやろう!」と心躍らせながらしたほうが、物事はうまくいく。
例えば、「私には志がある。だからできるはずだ。依頼される仕事だって、いい仕事なはずだ。意味があるはずだ・・・」と。
人生を決めるのは、夢の大きさだと思う。いまの自分があるのは、本気ででっかい夢を追いかけたから。そのひと言に集約される。
兆しが見えていてそれを形に表現していく彫刻のようなものかもしれません。
まず「幸せなんです」と言い切り、「なぜならば」を付け加えるだけで「幸せな原因」を脳はものすごい勢いで検索するのです。
僕の場合、収入面が会社員時代と変わらなくなったのは、独立してから3年目ぐらいです。一番大きかったのは、書道教室の生徒さんが辞めずに付いてきてくれたこと。とにかく書を楽しんでもらいたいと、みんなと過ごす時間を大切にしていこうとしたことで、輪が広がっていった。生徒数が50人を超えた時、ひとつの安定のバロメーターになってくれました。
会社員時代モチベーションを保つためにやったことは、ひとつひとつは些細なことです。たとえば、朝少しだけ早く起きて家を出て、駅の喫茶店でおいしいコーヒーを一杯飲んでから電車に乗るとか、川崎~横浜間だけはグリーン車を利用するとか。わずか10分間の満員電車が僕にはどうしても耐えられなくて……。かなりきつい出費でしたけど、そうしたことの積み重ねで、同期の誰よりも仕事を楽しめるようになったんです。
独立すれば、最初の数年はやはり大変なものです。ここまで来られたのは、根拠のない「勘違いの自信」があったからです。
僕たちが当たり前に過ごしている日常がすでにすごいんです。洋服を普通に選べる食料がなくならない水道が使える電車が時間どおりに来る。これ全部、前の世代の人間の汗と涙の結晶なわけですよね。そう考えたら、世の中につまらない場所なんてない。そんなすごい世界に生きていることのありがたさがわかったら前の世代に恩返しをしたくなる。次の世代にもっといいものを残したくなる。どんな場所にいたってエネルギーがどんどん湧いてくるじゃないですか。
武田双雲のすべての名言