テリー伊藤
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結局のところ、その相手がいい仕事をしてくれるようになればいいわけで、叱るか叱らないかの問題ではない。
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いま自分が優先すべきことは何か。それさえ間違わなければ、仕事も人生も上手くいきます。大事な分岐点に立たされたとき、有事のとき、ここ一番の勝負所、どんなときでも優先順位を的確に判断できる人間こそが、勝利を手にするのです。
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常識に感謝した上で、常識の裏を読む力を持たなくちゃいけないと思う。
仕事場を出たら、人生、優柔不断くらいがちょうどいい。人生において大したことじゃなかったら、たいていの決断は「あなた任せ」でいいんですよ。自分の趣味趣向、思考回路と違った店や物と出会えるから。日常レベルで自分の意志を貫き続けると、結果的に保守的な生き方になっていく。
私の周りにいる成功者と呼ばれるような人たちや日本の各分野を動かしてきた人たちを見ると、やはり、一様に40代で大きな転機を迎え、大きなチャンスをつかんでいる。
自分流ばっかりだと、型にハマった考え方しかできなくなる。むしろ、優柔不断になって人に流され、「じゃあ、試してみるか」とフットワークの軽いほうが、新しい出会いに恵まれる。それが自分の中に新たな知識や経験を与えてくれて、仕事にも生きてくるんじゃないかな。
凡人は昔の自慢話をする。しかし、天才は昔の自分に興味がない。
お互いに補い合えることは大事。そういう結婚生活を持続させるためには、「夫婦だからいいだろう」って油断しないことも重要。むしろ、夫婦だからこそ、相手に尊敬される男でいないとダメ。体型や身なりに気を遣うことだってそう。「うちのお父さん、昔は良かったのに……」じゃ悲しいわけ。夫婦である前に、いい男、いい女でいないと。とらえ方ひとつで、結婚は自分磨きを続けることのできる最高の自己投資になる。
「俺にできないわけねぇや、たいしたことねぇや」と思った上で、一生懸命やる。
私が長年携わってきたテレビの演出という仕事は、出演者たちの良さを引き出すことに尽きる。
今という時代のなかで、勝敗を分けるもっとも大きなポイントは、「優先順位の付け方」だと私は思っている。
もし、時間が許すなら30分くらい席を離れちゃうといい。部屋の空気を入れ替える感覚で。オレも社内で企画会議をしていてどうもうまくいかない時は、スタッフと一緒に外へ出る。と言っても、会社の前の道を下ったラーメン屋に行くだけなんだけどね。でも、そこでスタッフとバカ話をしていると、自然と違うネタが浮かんでくるんだ。そしたら、ウォーミングアップ終了で、坂道を上りながら「あと1時間だけやろうか」と会議を再開する。
人間、キャリアを重ねると冒険をしなくなる。それは若い人でも同じことだ。年数の長さに関わらず、実績とともに自分のスタイルができてくると、それをもとに考えたり、行動することしかできなくなる。それでは、何も新しいことを生み出せない。
隣に引っ越してきてほしくない人ほどテレビに出せば面白い。
仕事は自分のキャパを超えようが断らない。仕事の価値を決めるのは自分じゃなくて、頼み事をする方だから。その姿勢の大切さを芸人さんたちから学んできた。みんな基本的に断らない。後々、売れていった人ほど、「苦しければ苦しいほどおいしい」と思うメンタリティーを持っていた。
無理に好かれようとすると、今度は万人に嫌われるんじゃないのかな。
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男は男なんか見本にするな。オジサンよりもオバサンを見習え。オジサンは、オジサンから男の価値観で何かを学ぼうとするよりも、オバサンのマネをしたほうがよっぽどパワフルに生きられるはずだ。
私は部下たちと楽しい話しかしていない。若い彼らは、私とは違う音楽を聴いて育ち、違う映画や漫画を見て、違うファッションを楽しんできた世代だ。私が知らない素敵なことをたくさん知っている。そういう社員たちに私が何か正しいことを教えようとしたり説教をしたりするのではなく、逆に私に面白いことをたくさん教えてほしい。
先輩の演出家が、締め切り直前に大逆転のいい企画をひねり出すのを目の当たりにして、オレも落ち込んだ。でもね、あるとき気づいた。一見天才肌に見えた先輩も、本当は日頃から企画の種を集めていた。だから、会議室で土壇場に「なんかない?」と言われたときに、「これはどうですか」と提案できた。その場で考え出したように見えるアイデアも、実は事前の準備があるから出てきていたわけ。
「ライバルに恵まれると、その選手は伸びる」というのはスポーツ界の鉄則だ。もちろん、ほかの世界でもそれは同様である。しかし、誰が見てもわかるようなライバルだけでなく、意外なところにライバルを定めることが偉業を生むことがある。
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