日野原重明
0
人を許せるか否か。それは人間に与えられた試練です。
1
今までやったことのないことをする。会ったことのない人に会う。これが若さを保つ一番の秘訣。
人間が本当に自由になる時代が、人生の最後にくる。
人はいくつになっても生き方を変えることができます。
人間が人生において経験した喜びと、悩みや悲しみを、その生涯の終りに秤にかけると、どちらが重いだろうか。多くの人の秤は、悩みや悲しみのほうに傾くことが多いのではないか。
老人はリタイアすればいい、という今の考え方では日本は行き詰まってしまう。
政府は75歳以上のお年寄りを後期高齢者などと呼びますがね、あれはダメです。高齢者という言葉には「物理的に年を取った人」という意味しかない。おまけに「後期」などと線引きをする。あれはお役人の発想ですよ。そう呼ばれた人たちがどう感じるか、人の気持ちを考えていない。
私には使命がありますから、疲れている暇などありません。前進、前進、前進です。
老人のケアは苦労も多い。しかし、いつの日にかあなたも、あなたが老人にしたようなやり方で、ケアされる日が必ず来るのである。
老人には生き生きと生きる権利と、自分たちにできることをやる使命があります。周りから、何かをしてもらうだけでなく、自ら行動するのです。社会もそうした老人たちを温かい心で包み、交わりの中に迎え入れなくてはなりません。
何か目標を持って活動している人の方が元気です。
死はグッバイではなく、シー・ユー・アゲインなのです。天国でまたお会いしましょう、というしばしのお別れです。
90歳になったとき「新しいことを創めたい」と思いました。そこで立ち上けたのが「新老人の会」です。老人が慰め合うだけの会ではありません。自分たちの社会に対するミッションを見つけ、それを実践する集まりです。
2
多くの人々は自分の財産や名声や地位を得るために全力投球している。それなのに、財産やお金よりも大切な、自分の命のために全力投球している人は少ない。なぜ、その大切な命のために、時間と財産を提供しないのか、そうして安全に確保された命を思いきり有効に使おうとしないのか。自分の命を自分で格調高く保つための勉強を、めいめいがもっとしなければならない。
3
きりのない欲望が、あなたをしあわせから遠ざけます。
人間にとって最も大切なのは、命の長さだと思っている人は多い。しかし重要なのは、いかにして、命を使ったか、すなわち人生の質である。
私は疲労というものを感じたことがない。この歳ですから、そりゃあ肉体的な疲労はありますよ。でも一晩寝ると、朝はすっきりして、「さあ、今日もやるぞー!」とフレッシュな気持ちで目覚めるわけです。なぜなら、果たすべき使命があるから。
私は先日、103歳で初めて馬に乗りました。あぶみを踏んで辺りを見回すと、天下を取った気分になりました。今年の104歳の誕生日には104つの俳句を収めた初めての句集を出版しましたが、俳句を創めたのは100歳の時です。わざわざ講演会に来てもらわなくても、私の話が聞けるようにフェイスブックも創めました。
老人も、若い人たちに面倒をみてもらうばかりでなく、自ら生きがいを見いだす努力をしなければなりません。私は若い人たちと手を携えて、前に進みたい。
ビジョンは大きいほうがいい。たとえ自分が実現できなくても、バトンタッチすればいいのですから。
日野原重明のすべての名言