富野由悠季
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僕は作品作りの基本は、異種格闘技だと思っているんです。つまり、違うものをどれだけ自分の中に叩き込めるか。それにはありきたりかもしれないけれど、見聞を広げることが必要。いろんな場所へ出かけ、いろんなものを見るといい。全部演出の手がかりになるから。
フィルターを通した瞬間に、自分では全視野的にいろんな情報を取り入れて作品を作ったつもりでいてもフィルターを通すんです。
アカデミー賞を受賞するほか記録的なセールスを成し遂げ、二世まで活躍する宮崎駿らスタジオジブリ制作作品にライバル意識を持っている。
文芸、演劇、物語を見ないで映画、アニメが作れると思うな。
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アニメを見るな。
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そんなつまらない?つまらなくない。
いま自分はその職業の順位のどこにいるのか、意識してみてください。真ん中あたりにいる人は、転職した場合にはやはり真ん中の位置にくるか、それよりも間違いなく下の位置になります。一方、いまいる立場で誰もが日本一であると認める技術を持っている人なら、よっぽど不適格な職種に就かない限り、どこの業界でも成功するでしょう。
オンだオフだと切り替えられるほどめでたい人に、成功なんてあり得ないんですよ。やっぱり飽きずにコツコツやることからしか、一流の作品なんて生まれやしないということだと思います。
誤解を恐れず言えば、宮崎、高畑の演出論は黒澤明以上だ。
若くして人間関係に悩んでいる人に言いたいのは、その時その人、クラス、学年という目線で好かれることしか考えていないために、結果的に意気地がない、陰気な自分を作ってしまうケースが多いので、もうちょっと広い目線で自分を作っていく意識を持つことがただ一つの改善案だと思います。
能力の差である。
携帯電話っていうのは本当に麻薬みたいな道具なんです。昔なら何百万円とかかるはずだった高性能な道具が、現在はタダ同然で手に入るわけですが、実を言うとそれだけの代価……たとえば人生訓みたいなものを、どこかで払わされて損をしているということです。それにみんな早く気づいてほしいですね。
ゲームに携わる仕事をしている人間は嫌い。
僕っていう人間、私っていう個性、肉体を持った人間が、本当にじゃあそれはただのフィルターなんですか?フィルターです。
いま目の前にある携帯電話でアクセスできるレベルの社会的なデータに関しては、一切手を触れてはいけません。そのようなデータであまりにも簡単に時間つぶしができてしまうので、自分が勉強することを忘れてしまうからです。
日本人はコツコツと真面目に働いているんです。そのなかで抜きんでようと思ったら、両隣の奴よりもっとコツコツやるしかないじゃないですか。
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ゲームは麻薬。
僕は才能がない人間の最たるものだから、「できない自分がなんとかいっぱしになるためにはどうすればいいか?」とずっと考えてきたんです。その結果たどり着いた結論は、「飽きずにコツコツしかない」ということだった。だから誰よりも多く、誰よりも早く絵コンテを切るよう自分に課したんです。
ブランド志向というのは、自分の個性がないという表現なんです。なのに、それを買うことで自分のステイタスが上がったような気になっているのは、ミーハー的な妥協でしかないと思います。たとえばバッグに40万50万円もかけられるっていうのは、ステイタスの振りかざしでしかなくて、ファッションではありません。その部分には気づいていただきたいものです。
自分と同年齢の人に一番言いたいんです。僕と同年齢の人たちに、気持ちいいよという経験をたくさん持つ人がいっぱい出てきてくれれば、若い人たちもそういう年寄りの人を見て、あ、そうか、と思ってくれるかもしれないから。いま、若い人がどうのこうのって言われている意見で一番危険なのは、それを言っているお前が大人としてちゃんとやっているのか、ってことなんです。そこがすごく気になる。
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