富野由悠季
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どんなに無個性にしようとしても個性は出てきます。
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少なくとも公共に提供する作品を作る人間としては、それはあってはならないって思うようになったんです。
自分と同年齢の人に一番言いたいんです。僕と同年齢の人たちに、気持ちいいよという経験をたくさん持つ人がいっぱい出てきてくれれば、若い人たちもそういう年寄りの人を見て、あ、そうか、と思ってくれるかもしれないから。いま、若い人がどうのこうのって言われている意見で一番危険なのは、それを言っているお前が大人としてちゃんとやっているのか、ってことなんです。そこがすごく気になる。
大人から学ぶものなんて何もない。
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嫌でも出てきます!
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修身・道徳、格言を学べ。
携帯電話っていうのは本当に麻薬みたいな道具なんです。昔なら何百万円とかかるはずだった高性能な道具が、現在はタダ同然で手に入るわけですが、実を言うとそれだけの代価……たとえば人生訓みたいなものを、どこかで払わされて損をしているということです。それにみんな早く気づいてほしいですね。
周りが何をやっても無理です。クリエイターに限らず、才能は育てられないものなんです。自分が気付いて改善するしかない。
僕はね、そういうのは、人が病気になることを応援しているような気がしてしょうがないのよ。
日本人はコツコツと真面目に働いているんです。そのなかで抜きんでようと思ったら、両隣の奴よりもっとコツコツやるしかないじゃないですか。
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通した瞬間にそれは全部個性が出てくるんです。
アニメ以外のことに奮闘しろ。
オンだオフだと切り替えられるほどめでたい人に、成功なんてあり得ないんですよ。やっぱり飽きずにコツコツやることからしか、一流の作品なんて生まれやしないということだと思います。
文芸でも映画でも音楽でもそうですけど、鬱屈感を表現している作品、自分の憂さを代弁してくれてる作品っていうのが評価される傾向があるじゃないですか。
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若くして人間関係に悩んでいる人に言いたいのは、その時その人、クラス、学年という目線で好かれることしか考えていないために、結果的に意気地がない、陰気な自分を作ってしまうケースが多いので、もうちょっと広い目線で自分を作っていく意識を持つことがただ一つの改善案だと思います。
自分程度の人間に個性なんてない。個性なんて、仕事の出来とは無関係。与えられた仕事をきちんとやろう。
僕は作品作りの基本は、異種格闘技だと思っているんです。つまり、違うものをどれだけ自分の中に叩き込めるか。それにはありきたりかもしれないけれど、見聞を広げることが必要。いろんな場所へ出かけ、いろんなものを見るといい。全部演出の手がかりになるから。
巡り合わせを自分の人生にとってプラスになるように考えられるようになることができるか、できないかというのが、生きていく上での勝負になるのです。
僕だってフリーランスの身ですから、いまの仕事がなくなったときには、たとえば明日からでもアニメとは関係のない他の仕事ができるように心しています。常に職業には貴賤がないということを理解している自分でありたいと思っているのです。
フィルターを通した瞬間に、自分では全視野的にいろんな情報を取り入れて作品を作ったつもりでいてもフィルターを通すんです。
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