富野由悠季
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友達関係は全部が全部ためになる必要はない。ただ、「とりあえず楽しい」というのと「本当に楽しい」というのは、何百キロも何千キロも離れているくらいに、意味が違うことなんです。
読書に興味が持てないのは、興味を持つ機会を探すことを怠けているだけ。きっかけを作って読む機会を増やせば、あなたの可能性は大きく広がるはずです。なぜ本を読まなければいけないか、本を読む、すなわち文章という言葉を追いかけて読んでいくことは物を考えるという筋道を勉強していくことになるからです。
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おめでとうとは言わない。僕が欲しかったから。
もうちょっと美しく描いてほしかったなあ。
何事にも、偶然上手くいくことはあるものです。しかし、偶然に上手くいくことなどは、二度三度と起こるものではありません。
アニメという媒体を使って何をするのかということを持ってない人に、作品は作れないのです。
目が大きければいいってもんじゃない、人が死ねばいいってもんじゃない。
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長電話をする必要があるなら、それは電話で済むような話ではないはずで、なんで「会う」というアクションを起こさないんだろう。会う必要がないようなことを電話でしゃべっているということは、ひどくあいまいな人間関係でしかないんじゃないだろうか、携帯電話で済む程度の人間関係をそんなに尊重する必要があるのかという気がするのです。
データを集めるということ、もしくはデータが過多であることが、必ずしも学識を深めるものではなく、本当の意味での自己鍛錬を怠けさせる傾向があるように感じられます。安易に物をため込んでしまったために、人がものを考えたり感じたりする能力がひどく低下しているということに気がつく必要があります。
頼るべきは原理原則。
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現にアニメ好きが作ったアニメほどつまんないものはないじゃないですか?
「興味のない本でも読まなければならないのですか」当たり前です!興味がないから本を読んで、興味がもてないなりに勉強をして知るという行為をしなくてはいけません。知らないことを学習することが、自分の得につながるのです。その得が、その先の人徳というところにまでつながっていくのです。
まずは皆が見てくれるものを一生懸命作れ。なんで作品に自分の主義や主張が出てくるんだ。個性なんていうものは、嫌でも一番奥に置いていても出るんです。なのに初めから自分のつまらない個性をバンと出して作ったらつまらない映画にしかならないのは当然のこと。
失敗したときは、他人の意見を優先させなさい。失敗したのは、自分の考えで失敗したのですから。
シャ――って来るからシャアなんだよ。
新しい才能は、年寄りの博学者からは生まれていない。
アニメが好きで、アニメばっかり見てきたっていう人に作品が作れるのか、というと、ハッキリ言い切ります。作れません!
僕はアニメは楽しく作ろうぜと言っています。厳しい時代に子供を絶望させてどうするのと思うからです。若い世代を絶望させたら、次の時代を支えてくれません。だから、彼らを絶望させない物語を提供していきたい。
漫画家風情に誰が憧れる!
好きだというだけの理由で仕事を選ぶのは、かなり危険だと思います。好きなだけで就いた仕事は、その仕事を獲得した時点で満足を得てしまいますから、そこで働くことになってもそれ以上の努力はしません。その結果、人生的にはマイナスに作用してしまった人というのを僕は何十人も知っています。好きな職業に就いても幸せになるとは限らない。どんな仕事や境遇にも負けない素養をいまのうちに身につけよう。
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