富野由悠季
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だから俺はこういうものを作りたいんだっていう風にバックしてくるフィルターにしなさい。
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ブランド志向というのは、自分の個性がないという表現なんです。なのに、それを買うことで自分のステイタスが上がったような気になっているのは、ミーハー的な妥協でしかないと思います。たとえばバッグに40万50万円もかけられるっていうのは、ステイタスの振りかざしでしかなくて、ファッションではありません。その部分には気づいていただきたいものです。
絶対的に新しいものが世の中にひとつだけあります。それは、「世の中は変わっていく。時代が変わっていく。明日は新しい」のです。この時代性に合わせていくことは、少なくとも回顧でもなければ、コピーしようにもコピーのしようがありませんから、「次の時代のスタイルになるものを発見する」「その表現の方法を考えてみる」と考えてはいかがでしょうか。
ゲームは麻薬。
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いま目の前にある携帯電話でアクセスできるレベルの社会的なデータに関しては、一切手を触れてはいけません。そのようなデータであまりにも簡単に時間つぶしができてしまうので、自分が勉強することを忘れてしまうからです。
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アニメや漫画を好きなだけで入ってきた人間が作るものは、どうしてもステレオタイプになる。
今ではガンダムというとシードやデスティニーですからね。非常にムカついてます。
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僕っていう人間、私っていう個性、肉体を持った人間が、本当にじゃあそれはただのフィルターなんですか?フィルターです。
好きこそものの上手なれの「好き」のレベルが、時代によって格段の実力差、センスの差になっているのは認めます。しかしだからといって、自分はどこのレベルにいるのかという値踏みはしていただきたい。
能力の差である。
誤解を恐れず言えば、宮崎、高畑の演出論は黒澤明以上だ。
アニメや漫画は、子供が親に隠れてこっそり見るものであり、大人になればアニメはさっさと忘れなさい。
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いま自分はその職業の順位のどこにいるのか、意識してみてください。真ん中あたりにいる人は、転職した場合にはやはり真ん中の位置にくるか、それよりも間違いなく下の位置になります。一方、いまいる立場で誰もが日本一であると認める技術を持っている人なら、よっぽど不適格な職種に就かない限り、どこの業界でも成功するでしょう。
意識して自分の不得意分野の仕事もするようにしていました。「いなかっぺ大将」みたいなギャグアニメの絵コンテも手掛けたこともあります。悲惨な結果でしたけどね。「ヘタクソ!」「笑えない!」と散々に言われました。でもそれがよかった。できないからこそムキになれるんです。「じゃあ、どうすれば笑わせられるんだろう?」と一所懸命考え、そして自分の得意分野のロボットアニメで実験をするんです。
こんなクェスのオ●ンコ、僕は舐めないよ!
そんなつまらない?つまらなくない。
僕だってフリーランスの身ですから、いまの仕事がなくなったときには、たとえば明日からでもアニメとは関係のない他の仕事ができるように心しています。常に職業には貴賤がないということを理解している自分でありたいと思っているのです。
フィルターを通した瞬間に、自分では全視野的にいろんな情報を取り入れて作品を作ったつもりでいてもフィルターを通すんです。
アカデミー賞を受賞するほか記録的なセールスを成し遂げ、二世まで活躍する宮崎駿らスタジオジブリ制作作品にライバル意識を持っている。
人の自立と義務と主権の発見と、人が作ってしまう悪癖の発見。
富野由悠季のすべての名言