みんな、FF車の開発では前席部分をいじって競争していたけど、実は自由がきくのは後部座席と後輪の間の寸法だけだった。ここがガソリンタンクの容量であるとかサス・ヘンションの空間、トランクの容量、それにリアウインドウを流れる空力なんてのを決めていて、それこそが数字にならない性能を左右するんだとわかったんだ。その結果をもとにして設計したのが1990年の「プリメーラ」ね。これ、いまだから言うけどさ、社内で提案しても「ブルーバードよりも小さくてスペックも質素なのに、どうしてそれより高いんだ。そんなの誰が買うんだ」とポロクソに言われたね。でも、スペックとしての数字にならない価値はたっぷり乗せていた。それで、社内で大ゲンカをしたあとに「じゃあ、仕方ないな」みたいにして世の中に発表されたんだけどすごく売れたんだ。その後はオペルもフォードもみんな「プリメーラ」をマネしたよね。ヨーロッパでは、どこの会社もあれを買って分解して研究していたんだ。ヨーロッパの4ドアっていまもその流れの延長線上にあるでしょう?だから、ヨーロッパの車にマネされるようなものをと思ったことは、そのまま現実になったんだ。

水野和敏

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