市川海老蔵
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新作を立て続けにやると、お客様の感覚がより刺激的なものを求めるようになる。そうなると、古典が物足りなく感じられてしまう危険性があるじゃないですか。それは自分の目指すところではありません。
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なんだおまえ芸人だって?じゃあモノマネやれよ。
常識にとらわれていたら、短い人生でまともな成果は得られない。
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時には力を入れることも必要だけれど、遮二無二やったのでは目指す地点には到達できない。般若心経には無という文字が最も多く出てくるくらいで、「ない」ことほど強いものはないんです。無になった時にこそ、その人の本当の才能がわかるんじゃないでしょうか。
橋を取ったら島が流れちゃうじゃん。
歌舞伎の家に生まれたから、歌舞伎役者にならなくちゃいけない。きっといろいろな制約があるんだろうと想像される方も多いですよね。でもそれはあくまでも「歌舞伎」という世界に対してもたれがちな固定概念であって、実際はそうでもなかったりするんです。歌舞伎はもともとなんでも取り入れる精神があったものなんです。江戸時代まで行くと、今日あった悲惨な事件を受けて、明後日には新しい芝居が上演されていた時代もあったんですよ。そうして最近では、古典とともに新しい作品をやらなくては、という流れになってきました。
見えないリスクについて悩むのはまったくの無意味。悩むぐらいだったらまずはやってみようよ。
どんな衝撃にも耐えうろうと思っているから、どんどんでかくならなきゃいけない。だからといって古典一本ではないし、ブログもフェイスブックもやるし、映画にも出る。芸術家、アーティストとしては全部やった方がいい。いろいろなところを旅して、太く太く生きて見付けていく方が本物に近づいていける気がする。なりたいじゃん、本物に。
僕と結婚すればここにいる連中もみんな君のしもべになる。
人間がこの世界のすべてを知っているわけではないですからね。元素だって確認されているのは110いくつでしょう。でも、きっと170や180はあるんです。つまり僕らには見えないもの、認識できないものが周りにいっぱいある。
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人生においては、何が起こってもどんなことがあってもマイナスになることはない。一時、マイナスになると思っちゃうんです、人間って。でも、そんなことはない。絶対にプラスになるので、そう受け止めていかなければいけないと思っている。
考えたからといってリスクは消えないし、考えた時間が長いだけ、準備に使える時間は減っていく。
人間としては今以上に楽しんで生きていきたいし、歌舞伎役者としてはやるべきことをやっていく。
五右衛門が秀吉から盗もうとしたとされる香炉を徳川美術館で見せていただきましたが、元はただの土じゃないですか。でも、歴史の重みや人々が触れていたときの環境、空気を持っていますよね。それを僕たちは香炉を通して体感できる。そういうものに美しさを感じるように、演劇という文化が残ってきた。
僕ら、歌舞伎役者は、多いときはひと月で15役やることもある。そうすると、ないものねだりで「2~3か月、ひとつの役だけに集中してみたい」とか思うわけです。
僕らには見えないもの、認識できないものが周りにいっぱいある。科学とは別の次元だけれど、それをひとつでも、これだ!と明らかにする気持ちで舞台に取り組んでいるつもりです。でも、人間は盲点だらけの世界に生きているんだと自覚したほうがいい。僕らは非常に愚かなんです。
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初代はやっぱり命を懸けて切り開いていく。それを見ていた後続が命を懸けて守っていく。ですから古典を守るのが一番大事なこと。古典が一番素晴らしくて、本当に深いところで心の有りようの新しさをやっているのが歌舞伎の古典なんです。
僕と結婚したら大変になったでは可哀想じゃないですか。彼女の人生がより美しく、楽しくあってほしい。それを切に願っています。
夢のような構想を話したら「できるのか?簡単ではないよ」と言われて。でも僕は、難しいと言われて引き下がるタイプでもないのでね。
人間の遺伝子配列は99.9%が同じなわけでしょう。個性だとか外見、能力の違いは残りの0.01%が決めているに過ぎない。人格なんてコンマ以下の話。その中で争ってもたかが知れているじゃないですか。逆に言えば、たかがなことなのだから、難しく考えずに思いきりやればいい。そのほうがよっぽど楽しい。僕はそう思います。
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