市川海老蔵
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似てねぇよ、消えろバカ。
見えないリスクについて悩むのはまったくの無意味。悩むぐらいだったらまずはやってみようよ。
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時には力を入れることも必要だけれど、遮二無二やったのでは目指す地点には到達できない。般若心経には無という文字が最も多く出てくるくらいで、「ない」ことほど強いものはないんです。無になった時にこそ、その人の本当の才能がわかるんじゃないでしょうか。
五右衛門が秀吉から盗もうとしたとされる香炉を徳川美術館で見せていただきましたが、元はただの土じゃないですか。でも、歴史の重みや人々が触れていたときの環境、空気を持っていますよね。それを僕たちは香炉を通して体感できる。そういうものに美しさを感じるように、演劇という文化が残ってきた。
なんだおまえ芸人だって?じゃあモノマネやれよ。
数年前までは歌舞伎の舞台の上だけが本番で、そんな人生だからあとはどうだっていいじゃないかと思っていた。でも近年は、日常も本番、朝起きて神棚に手を合わせ、花や水を入れ替えるところから本番なんですよ。本番の延長に舞台があるので、ムダな緊張はなくなってきている。それが実力を発揮することだと思うので。
人生においては、何が起こってもどんなことがあってもマイナスになることはない。一時、マイナスになると思っちゃうんです、人間って。でも、そんなことはない。絶対にプラスになるので、そう受け止めていかなければいけないと思っている。
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考えたからといってリスクは消えないし、考えた時間が長いだけ、準備に使える時間は減っていく。
橋を取ったら島が流れちゃうじゃん。
初代はやっぱり命を懸けて切り開いていく。それを見ていた後続が命を懸けて守っていく。ですから古典を守るのが一番大事なこと。古典が一番素晴らしくて、本当に深いところで心の有りようの新しさをやっているのが歌舞伎の古典なんです。
歌舞伎の家に生まれたから、歌舞伎役者にならなくちゃいけない。きっといろいろな制約があるんだろうと想像される方も多いですよね。でもそれはあくまでも「歌舞伎」という世界に対してもたれがちな固定概念であって、実際はそうでもなかったりするんです。歌舞伎はもともとなんでも取り入れる精神があったものなんです。江戸時代まで行くと、今日あった悲惨な事件を受けて、明後日には新しい芝居が上演されていた時代もあったんですよ。そうして最近では、古典とともに新しい作品をやらなくては、という流れになってきました。
僕ら、歌舞伎役者は、多いときはひと月で15役やることもある。そうすると、ないものねだりで「2~3か月、ひとつの役だけに集中してみたい」とか思うわけです。
夢のような構想を話したら「できるのか?簡単ではないよ」と言われて。でも僕は、難しいと言われて引き下がるタイプでもないのでね。
人間としては今以上に楽しんで生きていきたいし、歌舞伎役者としてはやるべきことをやっていく。
人間がこの世界のすべてを知っているわけではないですからね。元素だって確認されているのは110いくつでしょう。でも、きっと170や180はあるんです。つまり僕らには見えないもの、認識できないものが周りにいっぱいある。
僕と結婚すればここにいる連中もみんな君のしもべになる。
僕と結婚したら大変になったでは可哀想じゃないですか。彼女の人生がより美しく、楽しくあってほしい。それを切に願っています。
僕の長所を短所のように言わないでほしい。
僕は、歌舞伎の世界ではまだ若いんですよ。だから、若いお客様、初めてご覧になる方をなるべく増やすという責務がある。そういう中で、ゆくゆくは古典で深い味わいが出せるようになることが最終的な目標です。
僕らには見えないもの、認識できないものが周りにいっぱいある。科学とは別の次元だけれど、それをひとつでも、これだ!と明らかにする気持ちで舞台に取り組んでいるつもりです。でも、人間は盲点だらけの世界に生きているんだと自覚したほうがいい。僕らは非常に愚かなんです。
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