私はまず必要額の半分に相当する3500万円を自分で調達しようとした。そう考えたのは、銀行員としての経験だった。そう考えたのは、銀行員としての経験からだった。企業のプロジェクトに融資する際にも、半分を企業が自前で出すとなると銀行に対する印象が良いのである。いまでこそ私は融資を受ける側にいるが、銀行員として考えれば、売り上げはゼロ、自己資金もありませんでは、いくら政府系といっても金は貸してくれないだろう。しかし、半分は自分で集めたとなれば、こいつは自分の金も注ぎ込んで真剣にやろうとしていると判断してもらえるのだ。

松田公太

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