森川亮
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会社でも国でも、できる人がどれだけ生まれ、その力を発揮するかで全体の力が変わってきます。ダメな人の力を管理によって底上げするのは、かなりの時間がかかります。それよりも、できる人の力を解き放つことが重要なのです。
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決断に確信を持つには、自分が先頭に立って行動し、ある程度の結果を出すことが重要。
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ソニーの通信のカンパニーに入って、トヨタさん、東急さんとブロードバンドサービスのジョイントベンチャーをやったのですが、その会社がうまくいき始めると、本社から退職間際のおじさんが入ってきました。大企業の関連会社は、やっぱりそういうものから逃れられないんですよね。それで、何のしがらみもない真つさらな会社で働きたいと思いまして。
新天地で起業するほうが、未来の自分は成長できると考えた。
本当にいいプロダクトやサービスとは、おばちゃんがマニュアルなしにすぐ使えるもの。
人は誰しも言い訳をしたいという気持ちがあるじゃないですか。そして言い訳はだいたい、事実とは少しズレている。ところが経営者は、いいことも悪いことも、事実を受け止めなくてはなりません。言い訳を読んで、ついそこに共感してしまえば、事実が見えなくなってしまうかもしれない。ですから僕は、部下からのメールに長い言い訳が書いてあっても、大体読まないですね。
大企業では肩書や権限が大事で、それがないとなかなか人は動かない。裏を返せば、肩書や権限さえあれば、その人がたとえ無能でも、部下は表面的には従うわけです。しかしベンチャー企業では、人は肩書きや権限では動かず、マインドで動く。そして成果重視です。
プロセスではなく、結果で評価しましょう。ダメな人は、とかく「私はこんなに頑張ったのに」とプロセスを訴えてきます。しかし、ビジネスは結果がすべてです。結果を出していない人を高く評価すると、本当に結果を出した人が上司や会社に幻滅し、その会社にいるのが嫌になります。「結果を出しても評価しないような会社は、この先きっと伸びないだろう」という未来が見えてしまい、見切りをつけ、辞めてしまう。
今の時代、過去のやり方は必ずしも当てはまらない。どちらかというと、未来志向でなければ成果が出にくい。成果を出すためには、過去を否定し、常識を取り払い、タブーを冒すような勇気が必要。
現場で汗をかいて働く。営業したり、販売したりして、現場の最前線に立ってみる。すると、自分たちは商品の技術力に自信を持っていたけれども、お客さんは安さを第一に求めていた、など、ギャップに気づくことができる。
同じ仕事をしていると、成長が鈍化します。未来の成長につながる投資価値が高いものに取り組むべき。
国内に4000万人の利用者がいるから、単にそこに新しいサービスを提供すればうまくいくかというとそうではない。LINEの利用者が、従来のサービスと新しいサービスが組み合わされた新たな価値を感じてくれなければうまくいかないのです。
叱るときはメールに頼りません。直接、口で叱ります。会話なら消えますが、メールは後に残ります。怒られたメールが残るということは、お互いにとって不幸です。なので、なるべく怒られたことを忘れられるように、逃げ道を用意してあげることは重要だと思います。
差別化はむしろマイナス。差別化って模倣されるのでとても難しくて、結局、「ほかにない技術」ということになってしまいます。その技術が求められてなくても、とにかくそれを使って商品をつくれというのが差別化になり、そこには「人がまず何を欲しがっているのか」という発想がなくなってしまうんですよね。たとえば当時、デジタルウォークマンという製品があったのですが、まず技術ありきなので、ある特定のセキュリティ技術を使わないと音楽がコピーできませんでした。それがみんなに求められていたのかというと、疑問です。
成功の延長線上を歩むのでなく、あえて「ゼロ」の環境に身を置く。そうすれば自分の思いに共鳴してくれる熱い仲間が集まり、その後の成長スピードをさらに加速させることができる。
失敗しないで会社を成長させるためには、とにかくユーザーのニーズを精緻に把握し、それに応えるしかありません。
商品開発には2つの方向があります。ひとつはグーグルさんのように、人が欲しがるのかわからないけど、エンジニアがおもしろがってつくったものをとにかく世に出して、その中で当たったものをビジネス化していくやり方。もうひとつはアップルさんのように、人が求めるものを突き詰めて考えて、一個に絞って出すやり方です。
定例会議など、あらかじめ時間が固定されているような会議は、やめた方がいい。議題すら決まっていないケースもあり、会議のための会議になりがち。全くもって無駄です。話し合う必要がある時に、その都度、集まって議論すればいい。
何パターンも仮説を立てて、一番可能性の高いところからやっていく。すると何かに当たる可能性が高い。
もちろん他社との差別化の視点の大事さは知っています。でも、差別化にこだわるが故に、ユーザーの顔が見えなくなる場合もある。僕はユーザーが求めるものの中で、「良いものをいち早く出す」というシンプルなことがビジネスとして非常に意味があると思っています。
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