井村雅代
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たとえ一流選手でなくとも、今より絶対うまくしてやりたい。うまくしてやれなかったら、自分自身が許せない。
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常に今ある自分の一歩先でも、より高いレベルを求めて欲しいから、真剣に叱るのです。
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「何でもやらなきゃわからないでしょ」と育ったおかげで、チャレンジ精神が身につきました。
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超一流には、「まあいいか」は絶対にありません。
私が、オリンピックに出られるシンクロの選手につくり変えていくんです。それが職人だというんです。
私が心がけているのは、わかりやすい指導者であるということです。怒られる基準が曖昧だと、選手は何をしていいのかわからず不安だと思うのです。だから、私は選手に「私はこういうことが大嫌い。こういうことをしたら怒るから」と、怒るポイントを必ず伝えています。
私はコーチとしてよく叱ります。基本的には言いたいことは我慢しません。本音をズバズバ言います。嫌われるのは大いに結構。「好き」だなんて言われたら、キツイ練習をしにくくなりますから。
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負けたくない。自分の選手は絶対、表彰台に立たせてやりたい。
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叱るときに心がけていることは「叱る絶対三点セット」を厳守することです。まず、相手の「悪いところをハッキリ指摘し」、次に「直す方法を指導する」。最後に「それでいいかどうか、直ったかどうか、OKかNGかをきちんと伝える」。叱るだけで直す方法を言わなかったら、選手は自信を無くすだけです。テレビは、私が叱っているところしか映さないですけど。
指導をする上で「具体的なゴールがしっかり見えている」ことが何といっても大切です。その子をどうしてやりたいのか。どんな演技をさせて、どんな結果を出させてあげたいのか。そのために、どんな技術をいま身につけさせなければいけないか。そういうゴールがあやふやなままで、ただ「頑張れ」なんて言っている人は指導者失格です。
私、当時から子供たちに怒ってたよ。ただ、無駄な怒り方やった。いまは年いったおかげで、エネルギーをうまく使えるようになった。
無駄、不必要な怒り方はせず、ポイントを押さえてガツンと怒る。
自分が思っているより自分ってもっとできる。
悪いところを指摘するということは、克服したらもっと良くなるということでしょ。だから、いつも言うのは、欠点や課題があるのは良いことなんだって。欠点や課題を一つでも克服したら、一歩前進できるじゃないですか。みんな欠点や課題があったら自分は駄目だと思うけど、そうじゃない。
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限界決めないで行け行け、言いますよ。
私は頭ごなしに指導しているように見えて、実は押したり引いたりしているんです。追い詰めていると思ったら、パッと救いの手を差し伸べる。でないと、その子を駄目にしてしまいますから。選手を追い詰めていることに気づかず駄目にしている指導者は非常に多い気がします。とくに「この子のため」と使命感に酔っている指導者はそうなりがちです。そんなの最低やと思います。
もちろん長所を伸ばすことは大切です。でも、短所や苦手なことに目をつぶるのは絶対に駄目です。短所を克服することを避けていると、それが引け目になって精神的な弱さにつながるんです。そして「いざ」というときに、その弱さが出て致命傷につながってしまいます。
いまにして思えば、確かにあのときが最大の試練だったんやろうね。でも当時は辛いとか考える余裕もなかった。ただぐっと堪えるしかなかった。
どのタイミングをとらえて叱るかによって、効果は大きく違ってきます。いちばんいいのは、何よりも「現行犯逮捕」です。
一流選手がプレッシャーに強いかというと、そうでもないですよ。結局、どんな人でも自分の大きな願いが叶いそうになると、ひるむものなんです。だから、本番は普段の実力からたいてい目減りする。でも、それは仕方ないですよ。目減りしても結果を出せるように、普段の実力を高めておくしかないんです。
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