所持金三万円、装備らしきものはいっさいもたずの旅でした。3000キロの感触をからだでつかむのが目的でしたから、荷物ガサガサ持って、日常生活の延長みたいなことを望んじゃダメだという考えでした。歩くだけが目的なんですから、何も持たないのがいちばんの早道だと思ったわけです。
植村直己
植村直己のその他の名言
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私の単独登山にしても、やはりひとつの登山形態として、未知なものへの探求と可能性への挑戦、さらに大きくいうなら、人間の可能性への挑戦ではなかろうかと思っている。
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山登りはたとえどんな山であろうと、自分で計画し、準備し、自分の足で登山する。その過程が苦しければ苦しいほど、それを克服して登頂して登りきったその喜びは大きい。
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山は他人のために登るものではないと思う。誰からも左右されない、自分の意志ひとつで行動できる単独行であれば、それが人のためでなく自分のためであればあるだけ、すべてが自分にかえってくる。喜びも、危険も。
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単独登山はグループ登山以上に危険である。安全のためザイルを結ぶ相手がいない。また、どんな事故が起こっても、助けを求めるべき相手がいない。あらゆる障害を自分ひとりで切りぬけなければならないのだ。
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私は思った、ただ前進あるのみだ。山登りとは違い、もういかにわめこうが、流れにさからって戻ることはできない。いよいよひとりぼっちのアマゾンの旅がはじまったのだ。
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イキトスに上陸するころには他人まかせの船で下るよりは、せっかく、アマゾンにはいったのだから、私自身でちょっぴり冒険をしてみたくなった。