田中良和
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すべてが年齢だとは思いませんが、やはり50~70代で大企業の舵取りをしてきた人たちから学ばなければと思うようになりました。5年も10年もかけて自分たちで学んでいる場合ではありません。とにかく先人に耳を傾けるようになりました。
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楽天でブログサービスを3年ぐらい担当していて、そろそろ新しいことを始めたいと思っていたときに、アメリカでSNSが流行っていることを知ったんです。でも、SNSをやりたいと会社に提案したところで、説得できるだけの材料がありませんでした。じゃあ、趣味でやってみようと始めました。
競合の参入をいかに防ぐかが、戦略を考える上では重要。
グリーは最初、趣味で始めたんです。今でこそSNSは事業として成立していますけど、以前は全く儲からなかった。学生起業ならまだしも、社会人の起業は利益が出ないと話にならない。儲からないのなら、趣味として始めようと。
他社を意識しても、自分の会社にイノベーションを起こすことにはつながりません。僕らが商品開発をするとき考えるのは、ユーザーが何を求めているかや、世界がどのように変わるかといったことで、他社の動向やビジネスモデルは関係ないのです。
次々に高いステージに上がっていくには、これまでの成功体験を捨てることが一番の課題です。成功体験を捨てろというのはよくいわれることですが、それがどういうことなのか、そのあと何が起こるのかはやってみないとわかりません。
この10年を振り返って一番つらかったのは、起業当初、誰も入社してくれなかったことです。社員を集めようとしても誰も入ってくれない。取りあえず数人いた社員の携帯電話に入っている友達一覧を壁に張って、1人ずつ入ってくれるかどうか議論するといったことを真剣にやっていました。
平日の夜中や土日に作業していたので、休みはゼロでした。それにサーバーの費用も何百万円とかかっていました。同じ時期にほかのSNSも始まりましたけれど、会員数が増えてくると、個人がボランティアでやっているものと会社が組織的にやっているサービスでは、サポートにも差が出てしまいます。GREEを続けていくためには、会社をつくるしかないと思いました。
ベンチャー企業にとって採用は重要です。就職活動で学生に見られるのはエントランスと会議室ぐらい。エントランスは会社のイメージを伝えるショールーム。だから奮発して作りました。
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何か行動を起こして、結果を生み出していかなければ何も変わらない。
会社を作った時はミクシィと比べられ、フィーチャーフォン向けにゲームを作り始めたら、DeNAがあるからうまくいかないと言われました。決して順風満帆な10年間ではありませんでした。私としては、こうした中でがむしゃらに頑張ってきたつもりです。
未知なことに臆せず挑戦できるのは、起業に欠かせない才能。
当社が目指すのはインターネットを通じて世の中を変えることです。といっても、それをいまやっているSNSやモバイルゲームで実現することにはこだわっていません。10年後、20年後にどんな商品でそれを達成するか、それはこれから見つければいいと思っています。ソニーだって創業5年目のとき、将来ゲームや映画をやると想像もしていなかったはずですから、これだというものがまだ見えていないのは、むしろ当然でしょう。
仕事に直接関係しない、情緒的な本を読むことで、合理一辺倒になりがちな経営の場にいても、人としての心のバランスを保つことができます。それと同時に、人生の根源を問う本からは、経営やビジネスマンに求められる情熱や熱量も学べるような気がします。
国際競争に挑もうとしない限り、日本は生き残ることができない。最大の問題は、この事実を受け入れられない日本人が多すぎることだ。
僕たちの考え方に賛同して入社した人には、「それは、本当にやりたいの?」「それは世の中を変えるのに何か意味があるの?」とことあるごとに厳しく突っ込みます。精神主義といわれればその通りです。そうしないと個人も伸びないし、会社も目的を達成できません。
グリーは世の中の多くの人が誤解しているかもしれませんが、ずっとうまくやってきた会社ではないのです。私から見ればこの10年の歴史でそれなりにうまくいっていた時代はほんの2~3年です。それ以外の時期は、ほかの会社と比べてプロダクトが劣っていると言われたり、会社に未来がないと言われたりすることの方が多かった。
最近、読書の目的を大きく3つに分けて考えるようになりました。
サービスは長く続いてこそ、良いサービス。
僕らはインターネットで仕事をしているのですから、ネットの世界の標準速度で仕事をするのは当然のことです。
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