漫画家という仕事としては、「読者が求めるものを提供する」どいうのが正しい姿だと思うんです。けれど、それが勝ちすぎて、自分の原初の楽しみとか、面白さとか、やっている時のわくわく感みたいなものを殺してしまっては、もう全くの本末転倒で、自分が疲弊するうえに、きっと漫画としても駄目ですね。いいものができないと思う。自分の間合いで仕事ができなくなるから。
井上雄彦
井上雄彦のその他の名言
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「リアル」は「普通のもモノ作り」といえばいいんでしょうか。材料が目の前にいくつかあって、僕はそれを料理するというか、組み立てる。そういう工程が「リアル」なんですね。
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まず自分ありきなんじゃないですかね。自分から発しているもの、出発点が自分ということと、「何か他のものになろう」としていない限りにおいては、他人の期待や意見を受け止めても大丈夫なんじゃないですか。
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「何らかの価値がある絵を描かなきゃいけない」とか、「誰かに期待されてそれに応える」絵ということじゃなく、誰も待っていない絵を、誰にも頼まれずにただ描く、そういう人になりたい。
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自分が本当に地面の高さに戻るというか、何も持たない状態にまた戻れる感じがして、今回の仕事ではそれがすごくうれしかった。何も持たない感じがすごく気持ちいい。
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何かが作られていくプロセスに「これは面白い」と人々が惹きつけられて、より良いものになっていく。それはマンガの連載もそうですね。