松下幸之助
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刻々にくだす意志決定を誤らないためには、人を使う立場の者は常日頃から自分の人生観、事業観、社会観の涵養につとめることが大切である。
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いくらなじみのお客様でも、お迎えする際には感激を新たにしてお迎えする態度が大切。
日本は自力で発展してきたのではなく、ほとんど他力本願でここまできた。他力によって日本の経済は戦後16年でこれだけの発展をしたのだと思う。そのことを自己の力によって発展したかのごとき錯覚を国が持ち、政府が持ち、国民が持っているというような感じがする。そこに大きな問題がありはしないかと思う。
失敗すればやり直せばいい。やり直してダメなら、もう一度工夫し、もう一度やり直せばいい。
経営者にとって大事なことは、何と言っても人柄やな。結局これに尽きるといってもかまわんほどや。まず、暖かい心というか、思いやりの心を持っておるかどうかということやね。
力強さは使命感を持つところから生まれる。
逆境、それはその人に与えられた尊い試練であり、この境涯にきたえられてきた人はまことに強靭である。古来、偉大なる人は、逆境にもまれながらも、不屈の精神で生き抜いた経験を数多く持っている。まことに逆境は尊い。だが、これを尊ぶあまりに、これにとらわれ、逆境でなければ人間が完成しないと思いこむことは、一種の偏見ではなかろうか。
活かし方を知らなければ、すべてのものがマイナスになる。ムダだ、マイナスだと頭をかかえてばかりいたら、不満に心が暗くなり、せっかくの天与の贈物も猫に小判。
「命ぜられたとおりにやって、その通り上手くいったのだから、もうそれでよい」と考える人。「たとえ人から命ぜられたままにやったとしても、その結果は一応きちんと報告しなければならない。そうしたら命じた人は安心するだろう」と考える人。その何でもない心がけ、ちょっとした心の配り方の違いから、両者の間に信頼関係に対する大きな開きが出てくる。
虫のいいことは、なるべく考えない方がいい。
人間には短所がたくさんある。その短所をあげつらって直すよりも、その人の長所を伸ばしてやることのほうが、人間を成長させる。
商売とは、感動を与えることである。
経営者の使命感が、社員を育てる。
人間、ときには思わぬ失敗をすることもある。失敗したことに気がつけばすぐに改めるのは当然だが、この場合大事なことが一つあると思う。それは何かというと、改めるということからさらに一歩進んで、まったく新しいものを生み出すということである。そのようにすれば、失敗というものは、むしろ大きな発展につながることにもなるだろう。
ある時、宗教家に会ってお話を聞いたんです。そうしたら、もっと大きな立場に立たなければ駄目だと言われた。小さな悩みでなく、もっと大きな悩みを救うのだ、大きな使命が仕事の上にあるんだと。私はそれまでは遠慮しながら仕事をやってきたんだが、今度は使命感に立って競争するんだと理解したわけです。その使命とは、広い社会の繁栄ということですね。それからは、小さな悩みがなくなって仕事も堂々とできるようになったんです。
現在与えられた今の仕事に打ち込めないような心構えでは、どこの職場に変わっても決していい仕事はできない。
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人には燃えることが重要だ。燃えるためには薪が必要である。薪は悩みである。悩みが人を成長させる。
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企業が赤字を出すということは、国家的国民的な罪悪である。
起業すると心配が絶えない。それがトップの仕事と思って楽しめ。
忙しい時になるとお客さんは仕入れ先を吟味しますね。そうすると、日ごろ勉強している店から買おうということになるのです。忙しい時に勉強していれば、ヒマな時かえってお客さんが増えるわけですね。だから「景気によし、不況になおよし」ということになるのです。
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