松下幸之助
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成功する会社は成功するようにやっている。
24歳の春、私は電灯会社の検査員に昇格した。非常に楽な仕事で、2、3時間もあれば済んでしまう。ところがこの楽な役に回ってみると不思議にいままでのように仕事に熱が入らず、なんとも物足らない気分をもてあますようになった。ちょうどその少し前、私は新しいソケットをつくろうと研究していた。どうにかしてソケットをモノにしたいという気が湧いてきた。何分若いだけに気が早い。主任が止めるのも聞かずにさっそく辞表を出した。
人は様々です。短気な人もいれば気の長い人もいる、緻密な人もいれば大雑把な人もいる。理論派もいれば人情家もいる、というようにそれぞれの持ち味が皆異なります。しかも、同じ人でも心というものは刻々と動いて、千変万化の様相を呈しています。ですから、自分の考えを伝えようとすれば相手の人がどのような人で、いまどのような心の状態にあるかよく知ったうえで、その人に一番受け入れてもらいやすいような言い方を工夫する必要があります。
会社の社員であっても、「自分は社員稼業という独立経営体の主人公である」という信念に立とう。
感謝の心、奉仕の心は、人間だけに与えられたかけがいのない無限の宝だと思う。
経営に対する経営者自身の使命感。そういうものがなかったら、人を育てようと思っても人は育ちません。
青春とは心の若さである。信念と希望にあふれ、勇気にみちて、日に新たな活動を続けるかぎり、青春は永遠にその人のものである。
よく人の意見を聞く、これは経営者の第一条件です。私は学問のある他人が全部、私より良く見え、どんな話でも素直に耳を傾け、自分自身に吸収しようと努めました。
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学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である。
商売であがった利益は、法律上は個人のものであるけれど、しかし実質的には社会の共有財産である。したがってその一部は自分の良識で使うことが許されるけれども、大部分は社会から預かった金である。財産があることは、それでさらに事業をしなければならん。
万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵にたて。その時はじめて新たなる風は必ず吹く。
指導者はつとめてみずからの徳性を高めなくてはならない。
成功するまで続けず途中であきらめてしまえば、それで失敗である。
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ぼくが奉公している時分に一人前になるためには、小便が赤くなるくらいにならないとあかんのやそういうことを二、三べん経てこないことには、一人前の商売人になれんぞということを、親方から聞いた。どういうことかというと、商売で、心配で心配でたまらん、もう明日にでも自殺しようかという所まで追い込まれたら、小便が赤くなるという。そういうようなことをしてきて初めて一人前の商売人になる。だから尋ねるんやが、あなた、儲からん儲からん言うけど、小便赤くなったことあるか?
全世界の共通の力でいい物資をだんだん安くしていく。そして満ち足りた世の中にしていく。そこに、生産の使命がある。現に水道の水はそういうふうになっているではないか。そう考えると勇気が出る。金儲けするとか、個人が成功するとか━━むろんそういうことも感情的にうれしくないこともないけれども、そんなことは問題にならないほど、この生産使命は貴いものを持っている。だから心塊を打ちこんでやるという正義感と希望が生まれてくる。これが私の水道哲学である。
いままでは世間の通念通りの商売をやってなんとか上手くいっていたが、次第にこれでは物足りないという気持ちが出てきた。いったい生産者の使命はなんだろう、こんなことを連日夜遅くまで考えた結果、私なりにひとつの信念が生まれた。それは簡単にいうと、この世の貧しさを克服することである。たとえば水道の水はもとより価のあるものだ。しかし道端の水道を人が飲んでも誰もとがめない。これは水が豊富だからだ。結局生産者はこの世に物資を満たし、不自由をなくすのが務めではないのか。
すべての人の知恵が集められ、融合調和されて高い叡智となる時、人間は自然の理法を解明し、すべての物事の善悪を正しく判断し、誤りなく是非を定め、それによって王者として万物を支配活用して、調和ある繁栄を生みだすことができるのです。まさに衆知こそ、人間の偉大さを発揮させる最大の力だといわなくてはなりません。
風が吹けば波が立ち、波が激しければしぶきをうける。波をうけ、しぶきをかぶっても舵とりさえ確かなら目的の港にはいることができる。
逆境を好んで求める人はまずいないだろう。誰も順境のうちに身をおき、苦難、挫折に直面することなく、平穏に生きていきたいと願っているはずだ。しかし、それでも逆境は訪れる。人生には逆境と順境が配されているからである。順境だけでの人生などありえない。
どんなつまらんことでも見方で変わってくるんや。心して見るか、心なしに見るかで大いに対応が違ってくる。
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