美輪明宏
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幸せになるには、感謝することを探しなさい。歩けるでしょ、見えるでしょ、聞こえるでしょ、しゃべれるでしょ。それができない方はいっぱいいらっしゃるんです。
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好きなことをしてお金をもらえるのは、よほど稀な人だけです。その人でさえ、陰ではものすごい努力と血の涙と汗を流しているのです。世に名を残す人は皆例外ではありません。楽をしながら好きなことをしてお金を得ようと思っていることは図々しいのです。そんなことはこの世では許されません。
子持ちだと思われたくない、独身だと思われたい。そんな女性は、母親になる資格がありません。「お母さん」が似合う自分を誇らしいと思うべき。
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野に咲く花にも役目があります。この世に必要でない人はいません。それに気付くかどうか。それが大事なのです。
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妄想癖や空想癖も他人に迷惑をかけず自分をリフレッシュできるならひとつの財産。自分を癒す方法は人それぞれ。
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ニコニコすることは、いわば運を引き寄せる行為。自分をパワースポット化する行為といってもいいです。
高いところへ登った人ほど、落ちたときには大怪我か即死です。低いところにしか登れなかった人は落ちてもせいぜい軽いかすり傷か怪我くらいですむのです。
私はかわいそうな人が好きなんです。報われない、純粋な人が…。
世の中の人は願い事が叶うように何かとご先祖さまや神さまを拝んだり、占い師に頼ったりします。わざわざ遠くのパワースポットを訪れることもあるようです。まあ、それも悪くないかもしれませんが、もっと確実で身近なパワースポットに気付くべきです。自分自身の微笑みが、それです。
遊びや文化は人生に欠かせない必要ムダ。芸術に親しむゆとりをもてば、心が解き放たれて楽になる。
私はこれまでの人生で、弱い女と強い男は見たことがない。
目の前にいる人を救うために何ができるか考える。神様の目をまっすぐに見つめて胸を張れる生き方。それが揺ぎない信念。
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時間の使い方で、最近、私がとりわけ浪費だと感じているのはデジタル・ツールです。私自身はインターネットもスマートフォンも一切使いません。確かに、検索やメールは便利な機能ですが、それは思索の時間を奪うことでもあります。自分の頭で考えたり感じたりするのをサボれば、当然、脳が退化してしまう。仕事中の空き時間や通勤時間など、みな一様にデジタル・ツールを手にしますが、もう少し自分自身と向き合う時間にしてはいかがでしょうか。
一升瓶には一升しか入らない。一升瓶に一生のお酒を入れてしまうと、ちょっと動くだけでこぼれてしまう。初めから八分目から九分目に入れておけばこぼれずにすむ、無駄にならないのです。残りの二分は人に初めからあげておけばいい。人も喜ぶし、お酒も無駄になりません。
精神のバランスが崩れるのは機能性、利便性、経済効率、そればかり基準にするから。精神の健康を保つのは美意識。
おいしくて体に悪いものを食べて病気になるか、まずくても体に良いものを食べて健康でいるか。食べ物も人間関係も同じ。
誰かが今、悪い時のまっただ中にいるというのなら、私はこうお伝えしたい。「頭を低くして嵐が通りすぎるのをお待ちなさい」。そうすれば、いたずらに感情的になったり、悩んだり苦しんだり、酒を飲んだりする必要はありません。冷静でいられるはずです。
いつまでも子供でいたい…。無邪気な男は楽しくて魅力的。でもいずれ困る時が来る。腹をくくってきっぱりと、自分の幼児性を捨てなければいけない時が来る。
人間はねバイオリズムがあるんですよ。この世の中って宇宙の法則で二つのもので構成されてるんです。正と負、プラスとマイナス、陰と陽、光と闇、吉と凶。それがね、みんな片っぽだけを望むんですよ、みんな。幸せとか明るいとか光だけとか。でも闇がなければ光もない。
日本の大人の男性は「文化」に触れる時間がいささか少なすぎると私は感じています。仕事の忙しさにかまけて、心の栄養を補充し、想念を清く美しくする時間をつくらないから、年を取れば取るほど、心の潤いがなくなり、微笑みも減少するのです。優れた作品など文化に触れることは、登場人物やストーリーに自分の人生を重ね合わせ、疑似体験をすること。それによって幸福の感度も増していくのです。
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