柳井正
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去年と今年を変えない限り、会社は潰れると思って欲しい。
危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてグズグズしているより余程良い。失敗の経験は身につく学習効果として財産となる。
希望が無ければ回復はないよ。希望が無い人が回復することはない。
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個人でも、企業でも、国でも同じ。安心感を持った途端に終わりなんです。「これで達成した」と思った途端に終わり。
売れるためには3つの要素が必要です。商品がいいこと、商品のイメージがいいこと、商品情報がいいこと。3つが揃わなくてはヒット商品にはならない。ところが日本のメーカーの大半は「商品が良ければ自然と売れていくだろう」と考えている。しかし、商品自体が良くても、売れないものはたくさんある。いくらいいモノでも、モノを作って、そのままにしておいて、売れる時代ではありません。
不安や失敗ばかり考えているから、失敗する。
組織を固定化したり、壁を作ったりするのが大企業病の典型。そうなると、上の人が現場に降りていかないため、意思疎通が図れないという問題も出てきます。あくまでも現場は宝なんです。だからわが社の場合、極端な話、店長の方が社長よりも偉くないといけない。店長を最終目標に位置づけ、店長という職に誇りを持ってもらいたいんです。
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問題は、失敗と判断したときに「すぐに撤退」できるかどうかだ。
知らせなければ誰が買ってくれるんですか?
僕は一人ずつの人を説得したら変えられると思ったんですよ。でも人はやっぱり自分の過去とか自分の経験とか自分の能力とかいったことで変えられない人もいる。でも変えられない人を否定してもしょうがないなということなんです。だから変えられなくてもこつこつ頑張っている人は、それはそれとしてやっぱりいい人生だったなと言ってもらえるようにしたい。
昔のことを振り返るのではなく、つねに将来のことを考えないといけない。だから危機感がないところには未来はない、と思います。
素材選定から商品生産、企画、顧客満足まで自社でワンサイクルで回すことを徹底して、今まで以上に満足してもらい、リピーター増やすことが大事になる。「海外はこういう方法」ということではなく、グローバルワン、世界中で一つのことをやることが大事だ。
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安全に階段を上がっていくような世界は、ビジネスではあり得ない。
失敗しても会社が潰れなければいい。失敗するんだったら早く失敗しないといけない。なぜなら、ビジネスは、理論通り計画通りに絶対にいかないから。だったら、早く失敗して、早く考えて、早く修正する。それが成功する秘訣だ。
変革しろ、さもなくば、死だ。
若い企業家の中には上場して終わりという人も見受けられる。それでは駄目。一生の仕事としてやってもらいたいですね。
僕はうちの社員や日本の若い人に世界で活躍できる商売人になってほしい。日本は資源のない国です。敗戦のときには設備やインフラがすべてなくなった。それから、みんなが一生懸命、商売をして、外国へ出かけていって、輸出を伸ばして豊かな国を築き上げた。戦後、日本人は商売人として頑張ったから、復興を果たすことができた。
オンリーワンでは世の中を変えられない。ナンバーワンでなければならない。
最近は金儲けの手段として事業をやる人が多すぎます。それでは一定のところまででお終いだし、自分が死んだら終わりです。
本当に優れた人事の担当者のようになってもらいたい。部下は自分の後継者。自分を超える人。部下の人生を預かってもらいたい。預かっていない人が非常に多い。それでは上司とは言えません。部下が幸せになるように努力してもらいたい。あなたの幸せのためじゃないですよ。
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