柳井正
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昔のことを振り返るのではなく、つねに将来のことを考えないといけない。だから危機感がないところには未来はない、と思います。
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とことんまでやること。自分の職業に関して、第一人者になるためには、少なくとも知るべきことは、全部知っておかなければなりません。もちろん、勉強が必要です。
世界で甘い企業で成功している企業は一社もない。とくに労働集約的な産業で甘い企業で成功している企業は一社もないと思う。
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まず儲かるところからやっていかないといけないから、儲からないところにそんな資本投下できない。
早い段階で自分の将来を考え、行動した方がいい。
私は店長たちに、つねづね「店長の仕事でいちばん大切なのは、作業を割り当てることだ」と言っています。デキる店長とデキない店長がいる。デキない店長は自分一人で頑張る。自分一人の理想の店をつくろうとする。それに対して、デキる店長は全従業員と一緒になって仕事をする。従業員それぞれの立場を考えて、仕事を割り振っている。
異業種からの多数の人材を迎えたのも、異質な人材が、安定し保守化した組織を壊すことを期待したから。外から来た人が多すぎると思ったこともありましたが、要するにチームのバランスですね。現場でたたき上げた僕らのような人間も必要ですし、客観的に現場を見て判断を下す人材も必要です。外から来た人に、大きな仕事を任せるのは大胆だと思われるかもしれませんが、うちの活力の源はここにあると考えています。
オンリーワンでは世の中を変えられない。ナンバーワンでなければならない。
最近は金儲けの手段として事業をやる人が多すぎます。それでは一定のところまででお終いだし、自分が死んだら終わりです。
すべての企業が新たな創業期。我々もいま、創業している最中。
これまでも私は、いろいろなことで失敗しています。そもそも商売というのは、失敗するのがふつうだと思うんです。新しいことをして成功する確率はほとんどない。10回やっても1回もないぐらいじゃないかな。だから、新しいことをやってダメだと思ったら、即座に撤退する。これが、つぶれない秘訣ですね。
危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてグズグズしているより余程良い。失敗の経験は身につく学習効果として財産となる。
人生は一回しかない。自分の可能性を試して欲しい。
日本の大企業の経営者のほとんどはサラリーマン経営者だから、失敗のリスクを100%背負わない。自分のお金で会社を動かすわけではないし、任期が終われば責任から解放される。だから、よほどせっぱつまらない限り、自分のしたことを否定しない。私は常に否定してこそ商売だと思うんです。
日本人が海外で働く場合もローカル化してもらう。たとえばニューヨークに行く人には「ニューヨーカーになれ」とよく言うんです。外国人の経営者と対等に話ができて、その人達を使わないといけないので、日本人とつるんでいるようではどうしようもない。
最も大きいのは社員の意識の問題。物理的なことよりも、社員の習慣や仕事のやり方の見直しが、大きな挑戦になる。
人の言うことを聞いて、疑いもなく作業する人はいらない。何が一番最適なのか、自分がやるべき仕事が全体から見てどうなのかを考えてもらう。
希望が無ければ回復はないよ。希望が無い人が回復することはない。
未来に向かって次はこういうことをやろうと考えないと、いまのこの位置すら危ない。
未来をつくるのが経営者。
柳井正のすべての名言