文明開化をちがう角度から見れば、それは名詞の氾濫である。そしてその名詞とは、じつは情報のことである。この情報の氾濫は、現在に至ってもまだ終わっていない。それどころか、それは大の字のつく氾濫になりつつある。
井上ひさし
井上ひさしのその他の名言
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戦争の時だって、反対する人はいました。でも、そのときの空気がそれを認めなかった。私たちは空気で動き、空気が先導した結果だから、誰も責任を取らないんです。
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暴れ狂っているなにものかを表現可能なものにするために、作家は技法という回線を敷き、その回線を通じて、そのなにものかをじぶんの外へ採り出すのです。
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文章を書く相棒というのは、原稿用紙のむこうにいる読者でもあれば、自分の長期記憶でもあるんです。その相棒と手を繋いで書いていく。
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本が父親となれば、たとえばシェイクスピアはホラ吹き親父、モリエールはおもしろ親父、ドストエフスキイはおしゃべり親父、そしてトルストイは説教親父である。
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本を批評しなければならないときは、「一つでもよいところがあれば、命がけでほめる。だめな本は取り上げない」というのをただ一つの原則にしている。
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本当におもしろいのは、書いているうちに筆が自然に外れていくことなんですね。そっちへ行っちゃだめ、というのに外れていく。それがいちばんおもしろいんです。