スピノザ
1
自分にはできないと思う、たいていの出来事は、できないのではなく、本当はやりたくないだけなのだ。
3
極端なる自負心と極端なる失望は、共に極端なる無自覚である。
感情のままに左右される人間は、自分自身の主人ではなく、偶然の力に支配される。
ひとつのものが同時に善であったり悪であったり、そのいずれでもなかったりすることがある。たとえば、音楽は憂鬱な人には善であるが、喪に服している人には悪であり、耳の聞こえない人にとっては善でもなく悪でもない。
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嘲笑せず、嘆かず、呪わず、ただ理解する。
自由な人が考えるのは、ほかならぬ死についてである。そして彼らの賢明さは、そこから死ではなく、生について熟慮をはじめることだ。
2
人があれもこれも成しうると考える限り、何も成しうる決心がつかない。
肉的愛、言いかえれば外的美から生ずる生殖欲、また一般的には精神の自由以外の他の原因を持つすべての愛は容易に憎しみに移行する。
人間とは、まこと、社会的な動物である。
人が不可能だと思っているときは、やりたくないと決めているときだ。
自分のあまり気に入らないことを賞讃するのは純粋な阿諛であり、これは友人間にあって最も危険な最も有害なことと考えます。
平和とは戦争が無い状態ではない。平和とは、美徳であり、心の状態であり、慈愛、自信、正義を求める心持ちである。
個人に、自分の思うことを言ったり教えたりする自由が与えられない統治が、もっとも暴力的な統治である。
ありあまるほど自由な時間のある人間は、たいてい悪いことを考えるものである。
自分にできないと考えている間は、本当はそれをやりたくないと心に決めているのだ。だからそれは実行されはしない。
極めて自卑的であり、極めて謙遜であると見られる人々は、大抵の場合、極めて名誉欲が強く極めて妬み深いものである。
運命とは、選び出す物だ、受け容れる前に。
愛とは、外部の原因の観念を伴った、喜びという一つの快の状態にすぎない。
最高権力は一切のことに対する権利を保有し、法と敬虔の解釈者であると信ぜられるとしても、最高権力はしかし、人間が万事について自己自身の判断を形成することを阻んだり、又人類がその限りに於いての、あるいはかの感情に捉われることを妨げたりすることは決して出来ない。
やれないと思うのは、したくないからだ。そんなことを考えれば、出来るわけがない。
スピノザのすべての名言