スピノザ
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個人に、自分の思うことを言ったり教えたりする自由が与えられない統治が、もっとも暴力的な統治である。
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人間とは、まこと、社会的な動物である。
自分にできないと考えている間は、本当はそれをやりたくないと心に決めているのだ。だからそれは実行されはしない。
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人があれもこれも成しうると考える限り、何も成しうる決心がつかない。
肉的愛、言いかえれば外的美から生ずる生殖欲、また一般的には精神の自由以外の他の原因を持つすべての愛は容易に憎しみに移行する。
極めて自卑的であり、極めて謙遜であると見られる人々は、大抵の場合、極めて名誉欲が強く極めて妬み深いものである。
ひとつのものが同時に善であったり悪であったり、そのいずれでもなかったりすることがある。たとえば、音楽は憂鬱な人には善であるが、喪に服している人には悪であり、耳の聞こえない人にとっては善でもなく悪でもない。
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嘲笑せず、嘆かず、呪わず、ただ理解する。
運命とは、選び出す物だ、受け容れる前に。
自分を卑下することは、自分を他人より劣ると信じる間違った考えから生まれる悲しみである。
極端なる自負心と極端なる失望は、共に極端なる無自覚である。
愛とは、外部の原因の観念を伴った、喜びという一つの快の状態にすぎない。
感情のままに左右される人間は、自分自身の主人ではなく、偶然の力に支配される。
最高権力は一切のことに対する権利を保有し、法と敬虔の解釈者であると信ぜられるとしても、最高権力はしかし、人間が万事について自己自身の判断を形成することを阻んだり、又人類がその限りに於いての、あるいはかの感情に捉われることを妨げたりすることは決して出来ない。
悪徳を非難するよりは、徳を教える方がよい。
自由な人が考えるのは、ほかならぬ死についてである。そして彼らの賢明さは、そこから死ではなく、生について熟慮をはじめることだ。
人間の心は、肉体とともに滅びるものではない。ある永遠なものが残るのである。
やれないと思うのは、したくないからだ。そんなことを考えれば、出来るわけがない。
名人は天より与えられて、各自自身の思想の主人公たる権利を有す。
名誉の悪用やこの世の虚妄について最も多く呼号する者は、最も多く名誉に飢えているのである。
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