土光敏夫
0
自信があれば、悪いことでもむしろ積極的に報告し助言を求めるはずである。だから、よく報告するという行動は、仕事の質を高め、仕事のスピードを早め、成果をあげることに通じるのである。
4
経営に活気をみなぎらせるために幹部がなさなければならぬことは、ビジョンを明示し、目標を高くあげることである。
変化の時代の経営では時間の要素が大きくものをいう。スピードこそが生命である。
1
今の大学は、人間尊重とか言って、人間をちっとも尊重していない。ただ知識を吸収させるエリート教育をしているだけだ。一流大学は就職へのパスポートだなんて言っているが、何が一流なのか。ぼくにはさっぱりわからない。教育なんてものは、本当を言えば人間を創るんでしょう。人間とは人間らしいということでしょう。松の木なら松の木に育てたらいい。松の木を杉の木に育てる必要はどこにもない。
私が最も重視するのは「早期・重課・鍛錬主義」である。どんな人でも若いうちから、能力を上回る程度の仕事を与え、厳しく鍛える。そのような困難に立ち向かい、努力を重ね、苦労を積まねば人は育たぬ。実力と人間は形成されぬ。教育はキレイごとではダメなのである。
5
仕事には節というものがある。仕事の節は一日ごとにつけていきたい。朝職場に入ったときに今日やるべき仕事が、もうちゃんと決まっている。それを全部果たすことによって今日の仕事が終わる。仕事を中途半端に残して家路に就く嫌な気持ちは、誰しも心覚えがあるはずだ。
価値観というものは、時代とともに変わっていくのが当たり前だ。それでなきゃ、歴史は生まれない。仲間のご老体たちが「このごろは価値観が違って困る」とこぼしているが、そんなことは当然のことなんです。僕らの世代だって個人によって価値観は違うのだし、価値観が一緒になったら、それは独裁国家ですよ。
常に「他のやりかたはないか」を考えよ。それを関係部門が共同でやれ。
これからは頭脳の勤勉が求められる。
必要以上の正確は、時間と経費のロスである。
部下は上司の後ろ姿を学ぶ。上司が真剣に仕事に打ち込むことが、最上の教育になる。
どんな人にも必ず一つぐらいは長所がある。上に立つものは、その長所を活用するのだ。長所をどんどん伸ばしていくと、短所はだんだん影をひそめてゆくものだ。このことを忘れてはならない。複数の人による共同作業のとき、もっとも重要なチームワークといわれるものも、各人の長所をうまく組み合わせることに他ならない。一人一人の長所が異質であればあるほど、チームワークの相乗効果は大きい。
3
逆境にめげず、順境に酔わず。
2
失敗は失敗ではなく、ひとつの道行き、経験だと考える。人間失敗してはいかんと思うと萎縮する。そうではなく、失敗してもいいんだ。しくじってもよろしい。失敗してもそれを肥やしにして取り返す。前以上に盛り返す。失敗して投げ出してはいけないんだ。僕はそういうふうに考えて今までやってきました。
計画とは将来への意思である。将来への意思は、現在から飛躍し、無理があり、現実不可能に見えるものでなくてはならない。現在の延長上にあり、合理的であり、現実可能な計画はむしろ「予定」と呼ぶべきだろう。将来への意思としての計画は、困難を受け入れ、困難に挑み、困難に打ち勝つモチーフを自らのうちに持たなければならない。
やりがい、働きがいは、やってみてはじめて出てくる。やりもしない、働きもしないで、どうしてそのような喜びが得られるだろうか。生きがいにしてもそうだ。精一杯生きる努力をして、はじめて生きる喜びを知るのだ。
この世の中で一番大切なことは、「人間関係」ですよ。
人間には人間らしい仕事をさせよ。そのために機械がある。
年寄りには年寄りの知恵がある。
僕らは毎日がいき詰りだよ。いき詰らないほうが、かえっておかしいとさえ思う。毎日少しずつでも前に進んでいれば、必ずいき詰る。〜中略〜壁がないなんていうのは、問題意識がない証拠だよ。だから毎日壁にぶつかれとそういうんだ。
土光敏夫のすべての名言