土光敏夫
1
幸せというのは自分で作るものだ。決して他人から与えられるものじゃない。
5
相互信頼を本物にするために、まず自分自身がほかから「信頼される人」になろうと努めよ。信頼を相手に要求してはならない。
0
相互信頼を本物にするため、まず自分が他から信頼される人になる。信頼される人になるためには、どのような行動基準が求められるのか。この五カ条はわかりきったことかもしれない。しかしわかりきったことが、なかなか行えないのである。一、相手の立場になって物を考える一、約束をきちんと守る一、言うことと行うことを一致させる一、結果をこまめに連絡する一、相手のミスを積極的にカバーする。
常に将来へのビジョンを描いておけ。それが人々に希望を植え付ける。
どんな人にも長所と短所が必ずある。ところがサラリーマンの会話を聞いていると、短所をあげつらう減点主義が横行している。これでは人の心を腐食するばかりで職場の活力も失われてしまう。
失敗は終わりではない。それを追求していくことによって、はじめて失敗に価値が出てくる。失敗は諦めたときに失敗になるのだ。
3
問題を見つけ問題をつくりだせ。問題がなくなったとき組織は死滅する。
2
死んだあとのことは引き受けてやるから、死ぬ気でやれ。
組織はダイナミックでなければならない。たとえばルールを作っても、はじめたときは新鮮味があるが、ちょっとたつとマンネリになってしまう。今日決めたことでも翌日になると必ずいくらかのマンネリが生じているんだと私は言っている。企業は絶えずダイナミックでなければならない。清水でも動かなければ腐ると言われる。組織体には絶えず揺さぶりをかけておく必要がある。
いつの時代を見ても「今の若い者は、実によくやっている」なんて年寄りがいってきた時代はないはずなんだ。昔から「今の若い者はどうしようもない。世の中は悪くなる一方だ」と、年寄りはぼやいてきたんだ。だからといって、ぼやいてばかりもいられない。年寄りはどんどん荷かけ役をやって、若い人たちに荷物を背負わさねばならない。おしなべて考えれば、世の中は悪くなった面も少しはあるかもしれないが、良くなったほうが多いに決まっている。世の中そういうものだ。
人生には予期せぬ落とし穴がついて回る。
人間には人間らしい仕事をさせよ。そのために機械がある。
年寄りには年寄りの知恵がある。
僕らは毎日がいき詰りだよ。いき詰らないほうが、かえっておかしいとさえ思う。毎日少しずつでも前に進んでいれば、必ずいき詰る。〜中略〜壁がないなんていうのは、問題意識がない証拠だよ。だから毎日壁にぶつかれとそういうんだ。
年寄りは先に死んでいくんだから、どんどん若い人たちが中心にやってもらわなければダメだ。
各部門がお互いに議論しあうのは良いことだ。馴れ合いで議論そのものがなくなることは、恐るべき腐敗だからだ。しかし、その議論はあくまで前向きでなければなるまい。議論は「互いに自らを問う」ところから始まらねばならない。自らの姿勢を正すことが先決である。
僕は石川島でもそうだったけど、社員をクビにはしない。役付取締役に全部平取締役になってもらった。ウエットといやあウエットだけど逆なんだ。人はすぐあれはこの点が駄目だと欠点を言うじゃないですか。神様はそんなことしませんね。誰だって長所があるもんだ。長所を見ないで人事をやるなんておかしいですよ。そういうところで外れた人はぼくの直属にします。それが僕のやり方。意見は言います。熱を入れてしゃべるから社長は怒ったなんて誤解されることもあるが、ぼくは怒ったことなんてないんだ。
どんな人にも必ず一つぐらいは長所がある。上に立つものは、その長所を活用するのだ。長所をどんどん伸ばしていくと、短所はだんだん影をひそめてゆくものだ。このことを忘れてはならない。複数の人による共同作業のとき、もっとも重要なチームワークといわれるものも、各人の長所をうまく組み合わせることに他ならない。一人一人の長所が異質であればあるほど、チームワークの相乗効果は大きい。
若い人に賭けられるも、賭けられないもないよ。賭けるしかないじゃないか。歴史を見てみい。みんなそうして、今日があるんだよ。
逆境にめげず、順境に酔わず。
土光敏夫のすべての名言