さだまさし
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本当の会話とは体温計です。
今の日本人に一番欠けてる言葉は、「惜しまない」ではないかと思う。みんな、なぜいろんなことを惜しむんでしょう。
恋愛中の女性に彼の魅力を問えば、十中八九「優しさ」をあげつらう。女性が男性に優しさを求める理由は明白、すなわち、女に都合が良いのである。だが、この場合の優しさは半ば、ひとつの女性サイドのお仕着せでもある。というのは10人中、8人も9人も優しい男がいたら、世の中、終わりだからである。
何かに感謝しなくても最低限食えてしまう、生活できてしまうっていうのは恐ろしいことですね。みんな、今の自分がどれだけ恵まれているか、豊かなのかわからなくて、疑問を持たなくなった。
お客さんと向かい合って、「今日のコンサートが、ラスト・コンサートとなっても恥ずかしくないステージをやろう」というのが今の自分のテーマ。
3
子供の心の揺れが分からないようでは、親失格です。
貧しさを知らなければ、本当の意味での豊かさはわからないと思うんですよ。
年をとるごとに、「惜しんだら終わり」って自分に言い聞かせてきたんです。「不惜身命」という言葉があるように、あるものは惜しまず、すべてを捧げようって。
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未練たらしいというか、逃げるのがいやで、「もう駄目だっていうところまでやらせてくれないかな」と言ったら、スタッフも「いや、まさしがそうと決めたら、行くとこまで行こう」と言ってくれて。歌って稼ぐしかない!と動き出したんです。不渡りも出したし、もう自転車操業もいいとこでね。
「未来」という時空間は、「今とても想像もできないような素敵なこと」が起きる可能性のある時空間」なのです。今どのような悩みや苦しみを抱えていたとしても、たとえ幾つになっても、「明日」という日が来る限り、「未来」には今日想像もできないすばらしいことが起きるのだと信じてください。
30代から40代っていう一番の働き盛りのときが一番大変でしたね。コンサートの数も半端じゃなかっただけに、喉を潰して、声が出ない時期もありましたから。それでもお客さんが来続けてくれて。僕はホント、お客さんをはじめ、人に守られていますよ。
自分の謙虚さを計る物差しとして「神様」は存在する。「このような仕事をさせてくださってありがとうございます」と頭を下げられる人のところに「神様」は降臨するのだと僕は思います。だって「これは自分がやったんだから、すべて自分の力なんだ」と思える人に神様は不要です。
会場を満員にし続けるためにはどうしたらいいのか、必死に考えましたね。今回、満員になっても、次回はその半分は来ない。そういうもんなんです、コンサートっていうのは。次回も満杯にするには、また来てくれる半分の人たちに、もう一人ずつ連れてきてもらう必要があるわけです。そこでトークも磨かれていったんじゃないかな。
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この世の中に不幸なんて存在しない。普段の生活に幸せを見つけ出せないから不幸に感じる。
幸福というのは、いつも持ち歩いているものです。みんなのポケットにも、たくさん入っているんですよ。
雨の日には誰だって傘をさすもの。
借金がなければ、こんなに長い間、歌を作ったり、歌ったりしてこなかったと思います。
風の日には誰だって目をつぶる。
決して無力ではない。微力だけども、無力ではない。
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人は皆、それぞれに自分の時刻表を持っている。
さだまさしのすべての名言